下関市消防操法大会に出席しました。

7月27日、下関市消防操法大会に建設消防委員として出席しました。

下関市内の消防団のみなさんが、ポンプ車操法、小型ポンプ操法による消火活動訓練を披露し、競いあうものです。今年の操法大会は20日に開催の予定でしたが、台風接近のために一週間延期となり27日になりました。そのために出場できなかったチームもあったり、急遽出場者を交代したチームもあったそうです。炎天下のなか、25チームのみなさんがこの数ヶ月間の特訓の成果を披露されました。

消防出張所の統合をはじめ、職員や緊急車両の配置などの機能縮小によって下関市の消防の体制も決して満足とはいいがたいのが現状です。高齢化により救急出動件数の増加が著しい今、消防や救急がたどり着くまでのあいだに消防団員の方が重要な初動の部分を担っておられ、それによって人命が救われています。すばやく無駄のない動きからは、一秒を争う現場と向き合う緊張感が伝わってきました。市議会としてできることはなにかを考えると、かかわっておられる方々が活動しやすいように、現場の声を代弁したり、支えることだと思います。企業の自衛消防団以外は若い世代の入団がないことに苦慮する思いも聞かれます。そういった問題もみなさんと一緒に考えていきたいと思います。

消防団のみなさま暑いなかお疲れ様でした。ありがとうございました。

はじめての管外視察で新潟県と山形県に行ってきました。

9~11日にかけて建設消防委員会の管外視察として、新潟県見附市、山形県鶴岡市に行ってきました。

広大な庄内平野…

今回の視察のテーマは、①立地適正化計画について(見附市)、②青木浄水場の更新事業について(見附市)、③つるおかランド・バンクと提携した取り組みについて(鶴岡市)です。

建設消防委員会の管轄の案件として、長府浄水場の更新事業や、年々増加している空き家の問題があり、それらのテーマの「先進地」である自治体を訪ね、具体的な話を聞くというものでした。もっとも印象的だったつるおかランド・バンクと提携した鶴岡市の空き家・空き地対策についてご報告します。

山形県鶴岡市は、西は日本海に面し、市域の約7割にあたる面積が山林という、非常に大きな市です。その広さは東北地方では最大で、国内でも10番目です。人口は約12万6000人と、下関の半分以下です。面積は広大ですが、人口が少ないので人口密度は低いです。そして、この鶴岡市も下関と同じく人口減少と高齢化が進んでいます。昔の城下町特有の町並みが残っていることで道幅が狭く、中心市街地に若い人が家を建てようと思っても、車が入らないため建てられない状況があるそうです。

空き家問題を解決すると同時に、長年手の付けられずにいた車社会に対応した道路の拡幅などを一体的に解決する必要があり、それらを効率的かつ迅速に進めるために、平成12年から早稲田大学と連携して調査を進め、市と不動産業者や司法書士などの民間業者が横につながったランド・バンク研究会を発足させました。平成24年に「NPOつるおかランド・バンク」が設立され、市と連携したとりくみがおこなわれています。

空き家・空き地解消の事例として、空き家・空き地がまとまって点在している土地があり、道路幅も狭く車が通れないため新築を建てることもできない土地では、所有者とランドバンクが交渉し、空き家を解体して隣接する空き地と一緒に整地しました。同時にそのさい土地の一部の寄付を受け、車が離合できる道路幅を確保(現在は4メートル以上なければ新築住宅を建てることはできません)しました。その結果、空き家・空き地だった土地に若い世代が新築住宅を建てておられました。

このように非常に小規模な整理ですが、これを連鎖させ、街全体を再生させていくのがランド・バンクの事業です。ただ、あくまでも寄付を受ける(善意による)ということなので、住民や開発業者の理解が得られない困難さはあり、そういった事例も見せていただきました。鶴岡市の場合、冬の降雪量も多いので、通常4メートル必要だとされている道路幅も「6メートル」が必要とされています。街の再生のために、地主さんが3メートルほども土地を提供されたことによって6メートル幅を確保できている土地もありました。

下の写真が、旧来の道よりも幅が広がった道路です。溝の左側が拡張した道路です。

一軒一軒、気の遠くなるような作業ですが、「それでも今からやっておくのとなにもやらないでいるのとでは違いが出てくるはずだ」と職員の方はいわれていました。

下関でも空き家問題は深刻です。鶴岡市のとりくみはとても参考になりました。ただ、鶴岡市は全体が平坦な土地ですが、下関の場合は平坦な場所は少なく中心市街地の多くが山坂です。複数の土地を一体的に整備するということだけ考えても難しいのではないかと思います。所有者が不明の空き家が多いことも、鶴岡市とは大きく違います。鶴岡で見たことを参考に、下関の土地の実情にあわせ、横のつながりをつくりながら考えなければならないと思います。

そのほか、見附市では青木浄水場の更新事業を見学しましたが、興味深かったのは市内11地区で使われているコミュニティワゴンでした。下がその写真です。

見附市内11地区で活躍しているコミュニティワゴンの利用方法は、地区によってさまざまだそうです。たとえば、買い物に困る高齢者が多い地域ではそのような人人の足として、また、子どもたちの部活の帰りの送りに使っている地域もあります。練習で遅くなった日も、安心して保護者が家で待つことができます。燃料代と管理費は市が負担し、運転手のみ地区で確保するというやり方で、運賃は無料です。民業圧迫との兼ね合いはあるそうですが、そのあたりも配慮しながら有効的に活用されていました。下関と違い、人口4万人の小さな市ですので、やり易さはあるでしょうが、あくまでも地域の自主性を尊重し、自由度をもってやっている点は非常に参考にしなければならないと思いました。他の地域ではどのようにしているのか、いろいろと調べたいと思います。

建設中の青木浄水場(見附市)

 

さいごに…

下関だけでは知ることのできないこと学べた先進地の視察でしたが、一つ感じたのは同じ熱量をもって下関市民のみなさんのもとに足を運んでいくことが必要ではないかということです。たとえば、私は6月議会の一般質問で学校トイレについて取り上げましたが、市立小中学校のトイレの実態を他の議員さんにももっと見てほしいと思います。市民のみなさんはさまざまな問題を抱えていらっしゃいますので、遠方以上にまず市内の実態を知る機会をもっと増やしてくべきではないかと思います。