はじめての管外視察で新潟県と山形県に行ってきました。

9~11日にかけて建設消防委員会の管外視察として、新潟県見附市、山形県鶴岡市に行ってきました。

広大な庄内平野…

今回の視察のテーマは、①立地適正化計画について(見附市)、②青木浄水場の更新事業について(見附市)、③つるおかランド・バンクと提携した取り組みについて(鶴岡市)です。

建設消防委員会の管轄の案件として、長府浄水場の更新事業や、年々増加している空き家の問題があり、それらのテーマの「先進地」である自治体を訪ね、具体的な話を聞くというものでした。もっとも印象的だったつるおかランド・バンクと提携した鶴岡市の空き家・空き地対策についてご報告します。

山形県鶴岡市は、西は日本海に面し、市域の約7割にあたる面積が山林という、非常に大きな市です。その広さは東北地方では最大で、国内でも10番目です。人口は約12万6000人と、下関の半分以下です。面積は広大ですが、人口が少ないので人口密度は低いです。そして、この鶴岡市も下関と同じく人口減少と高齢化が進んでいます。昔の城下町特有の町並みが残っていることで道幅が狭く、中心市街地に若い人が家を建てようと思っても、車が入らないため建てられない状況があるそうです。

空き家問題を解決すると同時に、長年手の付けられずにいた車社会に対応した道路の拡幅などを一体的に解決する必要があり、それらを効率的かつ迅速に進めるために、平成12年から早稲田大学と連携して調査を進め、市と不動産業者や司法書士などの民間業者が横につながったランド・バンク研究会を発足させました。平成24年に「NPOつるおかランド・バンク」が設立され、市と連携したとりくみがおこなわれています。

空き家・空き地解消の事例として、空き家・空き地がまとまって点在している土地があり、道路幅も狭く車が通れないため新築を建てることもできない土地では、所有者とランドバンクが交渉し、空き家を解体して隣接する空き地と一緒に整地しました。同時にそのさい土地の一部の寄付を受け、車が離合できる道路幅を確保(現在は4メートル以上なければ新築住宅を建てることはできません)しました。その結果、空き家・空き地だった土地に若い世代が新築住宅を建てておられました。

このように非常に小規模な整理ですが、これを連鎖させ、街全体を再生させていくのがランド・バンクの事業です。ただ、あくまでも寄付を受ける(善意による)ということなので、住民や開発業者の理解が得られない困難さはあり、そういった事例も見せていただきました。鶴岡市の場合、冬の降雪量も多いので、通常4メートル必要だとされている道路幅も「6メートル」が必要とされています。街の再生のために、地主さんが3メートルほども土地を提供されたことによって6メートル幅を確保できている土地もありました。

下の写真が、旧来の道よりも幅が広がった道路です。溝の左側が拡張した道路です。

一軒一軒、気の遠くなるような作業ですが、「それでも今からやっておくのとなにもやらないでいるのとでは違いが出てくるはずだ」と職員の方はいわれていました。

下関でも空き家問題は深刻です。鶴岡市のとりくみはとても参考になりました。ただ、鶴岡市は全体が平坦な土地ですが、下関の場合は平坦な場所は少なく中心市街地の多くが山坂です。複数の土地を一体的に整備するということだけ考えても難しいのではないかと思います。所有者が不明の空き家が多いことも、鶴岡市とは大きく違います。鶴岡で見たことを参考に、下関の土地の実情にあわせ、横のつながりをつくりながら考えなければならないと思います。

そのほか、見附市では青木浄水場の行進事業を見学しましたが、興味深かったのは市内11地区で使われているコミュニティワゴンでした。下がその写真です。

見附市内11地区で活躍しているコミュニティワゴンの利用方法は、地区によってさまざまだそうです。たとえば、買い物に困る高齢者が多い地域ではそのような人人の足として、また、子どもたちの部活の帰りの送りに使っている地域もあります。練習で遅くなった日も、安心して保護者が家で待つことができます。燃料代と管理費は市が負担し、運転手のみ地区で確保するというやり方で、運賃は無料です。民業圧迫との兼ね合いはあるそうですが、そのあたりも配慮しながら有効的に活用されていました。下関と違い、人口4万人の小さな市ですので、やり易さはあるでしょうが、あくまでも地域の自主性を尊重し、自由度をもってやっている点は非常に参考にしなければならないと思いました。他の地域ではどのようにしているのか、いろいろと調べたいと思います。

建設中の青木浄水場(見附市)

 

さいごに…

下関だけでは知ることのできないこと学べた先進地の視察でしたが、一つ感じたのは同じ熱量をもって下関市民のみなさんのもとに足を運んでいくことが必要ではないかということです。たとえば、私は6月議会の一般質問で学校トイレについて取り上げましたが、市立小中学校のトイレの実態を他の議員さんにももっと見てほしいと思います。市民のみなさんはさまざまな問題を抱えていらっしゃいますので、遠方以上にまず市内の実態を知る機会をもっと増やしてくべきではないかと思います。

安岡沖洋上風力発電計画の説明会

23日に、安岡公民館でおこなわれた前田建設工業による「住民説明会」に行ってきました。前田建設工業が安岡本町にある前田建設の寮の敷地で図った測定値をもって、「低周波音による影響はない」ということを住民に説明するために開いたものです。

この数年間のあいだに、安岡地区の住民の方々を中心に、風力発電がひき起こす健康被害が明らかになり、反対運動が根強く広がってきました。生活の糧である海を風力発電建設によって奪われてしまう漁師さんたちも同じです。しかし、前田建設工業は住民の声に真摯に向き合うどころか、住民を相手取った訴訟をおこしたり、住民の抗議を無視して事業を強行してきました。説明会には安岡、綾羅木地区の住民のみなさんが約400人詰めかけ、廊下、階段、建物の外まであふれ、これまでの前田建設の進め方に対する怒りと不信感が終始噴き出すものとなりました。

「このような説明会を1000回やっても10000回やってもまったく交わることはない。実際に前田建設は地域住民4人を訴えて1000万円を超える損害賠償請求をおこしたりしている。主要メンバーを崩して住民の運動の力を削いで風力を立てるというやり方だ。なぜ地域住民がここまで反対しているのか、東京ではわからないのだろうが、住民の反対運動がぶれることは絶対にない」

「私たちがなぜこんなに反対するのか。自分たちはあと20年も生きないし我慢もできるが、これからを生きる子どもたちや孫たちのため、20年も被害にあわせないために雨の日も風の日も雪の日も反対を続けている」

「被害はないというが、だったらなぜ風力発電で具合が悪くなる人がいるのか。自分の実家は風力発電の近くにあるが800メートル以上あることでなにも対策はなされていない。年をとっているし、家は古い。具合が悪くなったのも、風力発電がすべてではないかもしれないが、原因のひとつであることは明らかだ。豊北町を軽くみないでほしい」

「5年前の説明会のとき、健康被害が出て集団訴訟にでもなったら、訴訟先は前田建設でいいのかといったら、うちではでもするときに責任を取るのかといったらとらないといった。建てたあとは住民がどうなってもいいということだ。そういう企業の性根が今回の裁判沙汰ではないのか」

「さまざまに説明されたがこれで本当に大丈夫なのか私たちには理解できない。超低周波音の説明もなかった。しかも先週、号外を見て裁判結果のことを知り愕然とした。このような裁判をやるということは住民とあなた方は永遠に握手をするということがないということだ。そういう結果になった原因はなにか、あなた方はわかるはずだ。もう一度最初から住民が本当に納得のいく説明をしてほしい。うわべだけの、専門用語でごまかすような説明ではこのような説明会を何千回、何万回やっても理解はできないし、裁判がある以上手を握ることはない」

「健康被害が1%であれ、0.1%であれ、26万人に1人であれ、それが自分の子どもだったらと思うと耐えられない。もしそうなった場合誰が補償してくれるのか。下関のため、地域のために目をつぶるのならまだしも、なぜあなたたち一私企業のために私たちが目をつぶらないといけないのか」

自治会関係者、医療関係者、子どもをもつ保護者の方、女性、反対運動を担ってこられたたくさんの方方が、住民の切実な思いを次次に発言されました。

下関市議会は2014年3月に風力反対の請願を全会一致で可決していますが、ここまで来て、市民の代表として、このような切実な問題にもう一度向き合わなくてはいけないと思います。

 

 

シカ対策の柵のその後…

5月9日に投稿しました、シカ対策の柵づくりのその後について報告します。

農家の人たちの、生産以前の問題として横たわっている鳥獣被害対策。

被害拡大により離農農家も増えていますので、この負担をいかになくすかが重要になっています。柵づくりがどんなものなのかを実感することと、柵作りをさせていただく農家の方が再び野菜づくりをできることを目標に、数人がかりで頑丈な柵をつくりました。

設置から1ヶ月半以上がたちましたが、今のところシカの被害はなく、柵のなかでは順調に野菜が育っています。周辺にはシカの糞があるほか別の柵にシカが引っかかったりもしており、毎晩のように出てきているそうですので、今のところ柵がしっかりと野菜を守っているということになります。

そしてめでたく収穫を迎えました。