2020年の年頭にあたってのご挨拶

新しい年を迎え、早1カ月が経ちました。31日に、下関市民の会による新春市民のつどいに出席させていただき、今年の抱負をこめて挨拶をさせていただきました。みなさんからは「今後も現場主義を貫いて頑張ってほしい」「今年も市民目線で市政と向き合ってほしい」など、たくさんの心強い叱咤激励をいただきました。以下、挨拶の要旨を掲載して新年のご挨拶とします。

昨年2月3日の市議選で多くの市民のみなさんから市議会に送り出され、1年がたちました。初めての3月議会から緊張の連続でいろいろと判断に迷うこともありましたが、常に「市民にとってどうなのか」を判断基準に、みなさんの力を借りながら活動してきました。

昨年3月議会での個人質問では、市立大学の学長専攻についてと行財政改革推進会議による私立高校に対する補助金の減額についてを、6月には安岡沖洋上風力発電建設計画についてと公衆衛生の問題として小中学校の老朽化したトイレの問題と公共施設の削減対象になっている公衆トイレについてを、9月議会では下関市立大学の専攻科設置問題と公共施設マネジメントについてを、12月議会では、豊北中学校のスクールバスについてと農業の振興の視点から有害鳥獣被害対策についてとりあげました。

とりあげる項目は、日々市民のみなさまのもとに足を運ぶなかで、各地で問題になっていることを自分自身の耳で聞き対話してきたなかから決め、現場のみなさんに直接話を聞きながら深く掘り下げていくことを意識してきました。直接かかわっている人に一人でも多く意見を聞くことで、細かいところまで詳しく知ることもできるほか、立場によっては意見の相違もあるなかで、なにがよりよい解決の方法なのか、どうすれば政策として実現できるのか、行政に掛け合っていく際に欠かせない作業だったように思います。

現状をどうすれば解決できるのかという視点から、関係者のみなさんに取材し、知恵をもらい、それらを持ち帰って長周新聞の先輩たちに助言をもらいながら、より具体的な内容の質問をつくりあげてきました。現状をより詳しく知ることによって「こうすればいいのではないか」というヒントも出てきますし、現場の実感としての提案をおこなうことで、縦割りではなく行政内部で他部局との協議をするという答えもいただきました。よりよい下関にするために、議員が現場に密着し、その願いや要求を実現するために議会に声を届け、機能する。あたりまえの仕事ではありますが、この一年間の議員活動のなかで、こうすればみんなのためになるんだという感覚が少しずつではありますが、わかってきたように思います。議会のなかで大きな会派に所属して持つ「力」よりも、自分の足で動き、たくさんの方の声や知恵を集めて、行政に届けていくことが行政を動かすもっとも強い力であることを学びました。

これらの活動のなかで、常に問われたのは「議員の仕事とはなにか」ということです。

3月議会の個人質問と9月議会の一般質問では、市立大学の学長選考と専攻科の設置の問題についてをとりあげましたが、これら一連の問題は公立大学の私物化として全国的にも注目されることになりました。市長のお気に入りの人材を市民の税金で運営している市立大学に入れるよう取り計らったり、それが困難であるなら大学の定款まで変えて、市長の任命する理事長によってすべてが決まっていく体制をつくるものです。市立大学そのものの問題はありますが、こういった市長の独断で大学を好きなようにする私物化をスルーして通していく市議会にも大きな問題があると思います。この一年間で見てきたのは、チェック機能とは程遠い市議会の実態でもあり、議員がまじめに市民の暮らしや、下関市の向かっている方向に向きあおうという姿勢が乏しいのではないかと私には思えました。

なんのために議員をしているのか。なにかの式典やでき上がった会合の場に行って挨拶をするだけなら誰でもできます。そうではなく、市民の暮らしや抱えている問題に向きあって状況を解決させていくことに努力したり、それこそ行政がうち出す政策が市民のためになるものなのかをチェックするのが議員の仕事なはずです。

「馴れ合いや惰性を基本にした“右にならえ”ではなく、あくまで是々非々を貫き、下関市政に民主主義を貫いていく」。このことを選挙やその前後の過程で私はみなさんに約束してきました。議員としてはまだまだ未熟ですが、この立場を堅持し、みなさんのお役に立てるようもっと勉強し、一歩一歩積み上げていかなくてはいけません。

下関の抱える課題はとても大きく、産業が低迷するなかで子育て世代から高齢者まで支えなくてはならない人たちがたくさんいます。議員活動を支えてくださっているみなさんや、この間出会ってきた多くのみなさんと一緒に、市民のために機能する市政になるよう、全力で頑張る決意です。今後ともよろしくお願いいたします。