9月議会の一般質問について

また夏に戻ったような暑さですが、みなさまお元気でしょうか。

今月3日から9月議会が始まっており、30年度の決算をはじめとする議題が常任委員会や特別委員会で審査されています。

18日からは一般質問が始まります。

今回届け出をしているのは29人。私は6番目に質問をおこなうことになりましたので、18日(水)の16時ごろに開始となりそうです。(一般質問質問順位表

今回のテーマは

1.公共施設マネジメントについて

2、下関市立大学・専攻科設置構想について

です。

6月議会では前の質問者の時間が短く、予定していた午後から午前中に回りました。そういったハプニングもありますので、少しお早めにお越しください。なお、議会まで来られないという方はライブ中継もあるほか、録画もあります。下関市議会のページからお入りいただけるとわかるようになっております(議会中継ページ)。よろしくお願いいたします。

不安定な天候が続きますので、みなさまお体にはお気をつけくださいませ。

 

下関市のネーミングライツについて

近年、下関でも知らないうちに公共施設の名称が変わっていることが増えてきました。市民球場が「オーヴィジョンスタジアム」、向山小学校前の歩道橋が「典礼会館向山歩道橋」、海峡ゆめ広場が「オーヴィジョン海峡ゆめ広場」、駅前人工地盤が「日本セレモニーウォーク」など、はじめて名称を聞く市民にとっては「どこのことだろうか?」と思う方も少なくないと思います。「なぜ案内板がついたのかと思った」「どうして突然名前が変わったのか」「民間に売ったのか」という疑問の声をよくお聞きします。

ネーミングライツ(命名権)とは、自治体が財源確保を目的として公共施設の命名権を民間企業に与え、市の提示した希望金額(対象施設の維持・管理費などから算出)に応じた企業が期間限定で自社の名前やブランド商品名をつけるものです。海峡ゆめ広場は、2年9ヵ月で年間200万円。市道竹崎・細江線の命名権も、同じエストラストが購入して「オーヴィジョン海峡通り」となりましたが、料金は年間100万円です。

自治体にとっては財源が乏しい中で手っ取り早く収入が得られる手段ではありますが、同時に、公共施設の名称が次次にかわることによって市民生活に混乱をきたし、公共性が失われていくという問題があります。

全国で有名な例としては、東京オリンピックの会場として昭和39年に開設された「渋谷公会堂」があります。これは2006年から5年間の契約で広告大手の電通が命名権を取得しましたが、電通が飲料大手のサントリーに権利を転売し、その商品名をとって渋谷公会堂は「cc.Lemonホール」となりました。これには非難の声も多く、契約期間満了をもって再び渋谷公会堂に戻りましたが、今年から「LINE」が命名権を取得し新たに「LINE CUBE SHIBUYA」という名称に決まりました。

ほかにも東京スタジアムが「味の素スタジアム」になったり、神戸総合運動公園野球場が「ほっともっとフィールド神戸」になるなど、みなが慣れ親しみ大切にしてきた市民の施設がまるで企業の施設のようになることや、契約期間満了によって次次に名前が変わっていくことは考えものです。

公共施設は県民・市民の財産です。そもそも税金で整備された施設であり、それぞれに経緯や歴史があります。市民の利便性やその施設の存在意味とかけ離れたところで、特定の企業の名前がつくことは違和感が否めません。やはり公共施設は、特定の企業の宣伝に利用するものではなく、市民みんなのものとして誰もが公平に気持ちよく使える施設であるべきではないでしょうか? 

そもそも下関市でネーミングライツ料として年間数百万円を出せる企業がどれほどいるだろうかと思います。公共財を切り売りするようなことではなく、中小企業が元気になる経済政策こそ必要だと思います。

地方財政についての議員研修に行ってきました。

厳しい暑さが続いていますが、みなさまお元気でしょうか。

8月1日と2日に、博多で開催された自治体財政についての議員研修に行ってきました。

講師は立命館大学政策科学部教授の森裕之先生。今回の講座は初当選後10年未満の議員を対象としており、地方自治体の決算カードを見て財政状況を読み取るというものでした。自治体財政は専門用語が多く、一般にわかりにくいものですが、9月の決算議会をはじめ下関の財政状況や課題を知ることができると思い参加しました。

まず基本として、行政事務は国と地方が分担しておこなっていますが、歳出規模約100兆円のうち6割を地方財政で担っており、残りの4割を国が担っています。とくに、教育、福祉、衛生、消防など、住民生活に密接にかかわる分野はほとんど地方自治体がおこなっていますが、国民が納める税金(税収)を見ると、国税が6割、市県民税などの地方税が4割となっており、歳出割合と税収の「ねじれ」が生じています。

地方自治体が住民福祉をおこなうために足りない部分を補っているのが、国からの地方交付税や国庫支出金です。地方自治体では税収と地方交付税を財政基盤として行政がおこなわれています。地方での住民サービスは、国と地方が一体となって憲法25条にある「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を住民に保障しているということです。税収では足らない部分を補うのが国の責務であり、地方自治体は住民サービスを低下させないために必要な財源を要求していくことが大事だと述べられていました。

下の表は、下関市の平成29年度の決算カードです。この決算カードを見ながら、用語の説明や記してある数字からどういったことが読み取れるのかを教えていただきました。

下関市の場合に目立つのは、実質公債費比率の高さです。これは下関市が歳出のなかで借金の返済に充てている割合を示したものですが、参加自治体のなかではもっとも高かったです。合併後の庁舎建設なのか、人工島なのか、下水道の敷設なのか、自治体によって理由は違っているため下関の理由については聞かなければわかりませんが、他の自治体と比較しても「借金が多い自治体」になるようです。

実質公債費比率(借金返済に充てている歳出の割合)が10%を超える下関市

細々の説明を書くと非常に長くなるので省略しますが、一番重要なのは、今後地方財政をめぐる大きな変化が起きてくるなかで、自治体の自己決定が非常に重要になってくるということです。

なお講演のなかでは興味深い話がいくつも話されました。そのなかの一つで、多くの自治体で取り組まれている「公共施設マネジメント」についてのお話がありました。下関でも川中支所をはじめ、各地で公共施設の大削減が問題になっています。後日、整理してまたお伝えします。