下関市は3月30日、あるかぽーと・岬之町地区のウォーターフロント開発計画のなかのホテル誘致事業について、優先交渉権者に長野県軽井沢に本社を置く星野リゾートを選定しました。
4日に建設消防委員会が開かれ、港湾局から民間事業者公募についての報告がありました。
市は昨年11月に事業者の公募をおこない、星野リゾートと地元のグランドホテルの2社が参加し、今年2月28日に審査委員会(定量評価委員会、定性評価委員会)にプレゼンとヒアリングがおこなわれ、委員による審査・評価の結果、星野リゾートが選定されました。
ホテル事業が展開されるのは、あるかぽーとの「はい!からっと横丁」の隣の、広さ約1・8㌶の埠頭用地です。建設されるのは若年のファミリー層などをターゲットにした民泊型の「OMO(おも)」ブランドホテルで、地上14階、客室数186室、平均客室単価は1万3000円となっています。
(星野リゾートが提出したイメージ図)
宿泊客の飲食については、社員がゲストを街に案内するほか、デッキテラスやバーべキューキッチンも利用できるようになっています。また食品加工・提供をおこなうセントラルキッチンも建設する予定です。下関市内はもちろん近隣にもないホテルですが、地元から要望の強かったとされる大型の宴会場や会議室は備えていませんでした。
資金・収支計画については、「ファンドから出資を受け、運営開始から一定期間経過後にリート等に売却。賃借して営業を継続する」となっており、「投資商品」として運用されることになります。市は用地を貸付けることにより、年間約3140万円の賃付料収入を見込んでいます。
一方、もう一社のグランドホテルが提案したのはフルサービスホテルで、地元から要望があった会議場などの設備がありましたが、あるかぽーとB地区においては星野リゾートに決まったため、市はグランドホテルの提案したホテルについては他の場所での建設を働きかけていくそうです。
市と星野リゾートは今月中に基本協定を締結を予定しており、今後は秋ごろに事業契約の締結、来秋に賃貸借契約締結・着工、2023年の開業を目指しています。
ネームバリューのある大手ブランドではありますが、採算性次第では運営者が変わり、当初の計画から大きく変動する可能性もあります。関門海峡を望む一等地がどのように推移していくのか、多くの市民が願う方向に向かうのかどうか、注目していきたいと思います。