下関市議会議員定数の削減について。

ご承知のとおり、20日の本会議で議員定数の削減(34→32)が決まりました。

私は議員定数の削減には反対です。その理由については、以下の反対討論の内容をもってかえさせていただきます。なお、今回の定数削減の議案には7人の議員が賛成・反対討論をおこなっています。お時間のある方は、下に動画のリンクを貼っておきますのでぜひご覧ください。

ーーーーーーー反対討論ーーーーーーー

議会案第4号「下関市議会議員定数条例の一部を改正する条例」に反対の立場から意見を述べさせていただきます。

議員は市民の代表としてこの議場に送られています。議会は地方公共団体の意思決定機関であり、構成員たる議員は立場も考えも異なる市民の多様な意見を市政に反映していくために役割を果たすことが仕事であると思います。定数削減とは、要するに多様性を排除していくことにつながりかねず、意思決定をより少数によっておこなっていく体制になるということです。

私がこの議会に入って5年がたちますが、立場や考えの違いはあれど、議員一人一人がそれぞれの思いを持ってこの議場で議論をしていることは見てきましたし、自らも是々非々の立場を貫き、発言をしてきたつもりです。議員定数削減によってその機能が失われることは市民の声が市政に反映されにくくなるということでもあり、安易に定数削減するべきではないと考えます。

定数削減の理由が財源問題であるならば、むしろ議員報酬の削減をするべきであり、今回、議案に出ている「2名」分にあたる、約2000万円をこの34人の報酬削減によって捻出すれば済む話ではないでしょうか。

それこそ「身を切る改革」です。

それはできない、あくまでも報酬は削らず定数を削減するのだというのであれば、それは先程指摘した通り、より少数の者によって意思決定をおこなっていくというだけであり、市民に対して「議会改革」のフリをしているだけにならないでしょうか。

これまで議長・副議長の公用タクシーチケットの使い方について、何度も問題提起してきましたが、そうした問題こそ率先して議会改革してはどうだろうかと思います。

このたび、定数削減の理由となっている令和3年度の市民アンケートを再度読み返してみましたが、定数削減に関しても、報酬削減に関しても、議会への不満・不信がぶつけられたものだと理解しています。

高額な報酬のうえに胡坐をかいて、その特権的な地位を守るためだけに動いていることへの怒り、選挙のときだけ出てきていいことをいって、通ればなにもしないことへの怒り、チェック機能を果たしていないことへの怒りであると思います。

ここにメスを入れずして、定数だけ減らしても、なんの解決にもなりません。むしろ一部の人たちだけで市政に関する重要な問題が決まっていくことになり、密室化していくことは、議会制民主主義や地方自治の観点から見ても非常に危ういといわざるをえません。

ちなみに、議員定数に関する協議に関していえば、会派無所属議員の意見はなにも反映されていません。7月に無所属議員を議会運営に加えることの要望を議長に提出していましたが、昨日「むつかしい」との返事が返ってきました。本気で改革し、市民の代表たる議会にするのであれば、会派優先の実態についても正されるべきであり、多様な市民から選ばれた多様な議員が平等な立場から議論を交わし、この議員定数問題も議論されるべきだと思っています。以上のような理由から、議員定数の削減には反対いたします。

 

↓下関市議会・録画配信サイトへ

https://shimonoseki.media-streaming.jp/recording/meeting/detail/695

12月議会で一般質問をおこないました。【動画】

12月議会で一般質問をおこないました。

今回のテーマですが、いよいよ来年4月から稼働を迎える、新下関学校給食センターをとりあげました。

現在、新センターの受配校となる22校では、管理職の先生方、栄養教諭や養護教諭、給食主任の先生方が中心となって着々と準備が進んでいます。ただ、新下関学校給食センターの稼働にともなう学校現場の負担や、アレルギー除去食の提供を含めた給食の安全な提供体制という面からみたとき、専門的に給食業務をおこなう人員の配置が必須です。こうした視点から、学校現場の実情を取材し、執行部に対して質問しました。

少し長いですがご覧いただけますと幸いです。文字起こしにつきましては後日掲載いたします。

↓画像をクリックすると市議会の録画配信サイトが開きます。

ご協力いただいたみなさま、傍聴に足を運んでいただいたみなさま、ありがとうございました。

一般質問のご報告「難聴児の教育環境について」【文字起こし】

9月20日におこないました、一般質問「難聴児の教育環境について」について、質問と答弁(要旨)の文字起こしを掲載します。

下関市での療育について

本池 聞こえにくい、聞こえない状態の難聴児にとって、専門的な知見にもとづいた支援がいかに大事であるかはいうまでもなく、とくに先天性難聴の子どもたちには出生直後から多くの専門家がかかわって本人や保護者の支援にあたっている。国も、近年、難聴児の早期発見・早期療育推進に力を入れており、令和4年に作成された難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針にはその目的として、「早期に発見し、適切な支援を受けることにより、自立した生活を送るために必要な言語・コミュニケーション手段の獲得につなげることが望ましい」と必要性を強調している。難聴児やその家族への支援について下関市はどのような考えを持ってかかわっているのか。

冨本福祉部長 本市は下関市障害者計画において、ノーマライゼーションとリハビリテーションの理念のもと、障害のあるなしにかかわらず、誰もが地域から必要な支援を受けながら、地域とのかかわりのなかで自分らしく暮らすことのできる街を基本理念としている。難聴のお子さんやその家族についてもこの基本理念のもとに支援をおこなっていく。

本池 難聴といっても程度はそれぞれで、その子一人一人にあった支援や教育が重要だ。そのため難聴確定後も検査をくり返し、その子の難聴の度合いや性格にあった指導・支援がおこなわれ、成長段階にあわせて言語の取得、今後社会で生きていくために必要な力をつけていく教育がおこなわれる。その難聴児の家族や支援者からの相談に応じたりアドバイスをする役割を中心的に担っているのが、下関南総合支援学校に山口県が設置している「聴覚障害教育センター」だ。ここが0歳~成人までの相談を受け付けており、とくに未就学児に関しては定期的な療育を担っている。

しかし昨年度末、療育を担っていた先生が定年退職となり、その後任がいないとの理由で療育が途絶える事態になった。こんなことは通常ありえないことで、3月末の保護者への説明会では不安の声が相当に出たという。なぜこんな事態になったのかセンターを設置している県の特別支援教育推進室に尋ねたところ、推進室も3月15日に学校から「教育相談を担当する教員がいない」との連絡を受けて事実を把握したというが、「学校のことなので」「個人に頼りすぎていたのでしょう」という対応で、来年度の体制についても「学校のほうで検討中」という答えだった。質問だが、下関市のさまざまな部局がこちらのセンターとかかわりがあると思うが、療育の「縮小」の件について連絡はあったのか。

磯部教育長 令和5年3月22日付で「聞こえに関する教育相談の運営について」の文書を教育委員会で受けとっている。令和5年度の乳幼児等の相談及び支援の実施について、運営体制が整っていない状態であり、今後の運営については関係機関と業務の見直しを含め協議している旨の通知だ。

冨本福祉部長 福祉部においても同じ内容の通知を受けとっている。

本池 この連絡を受け、なぜこのような事態になったのかを確認はされたのか。
磯部教育長 通知文書を受けとる前に山口県立下関南総合支援学校から3月末で言語聴覚士の資格がある方が退職するため相談体制の維持が難しいと情報提供を受けていたことから改めての問い合わせはしていない。

冨本福祉部長 福祉部も同じような説明を受けている。そのため確認はしていない。

本池 今の「なぜ」の部分なのだが、「退職したから」ではなく、なぜ後任がいないのかという確認をしていただきたかったのだがそれはしていないということか。

冨本福祉部長 その後の体制を協議中と聞いていたのでこちらからは聞いていない。

磯部教育長 通知のなかで聞こえに関する教育相談については中断し、実施方法等が決定次第改めて知らせるとあるため確認はしていない。

本池 このときにもっと確認をしていればその後の対応も変わっていたのではないか。人事については山口県の問題だ。しかし今、実際に困っているのは下関の子どもたちとその保護者だ。これまで療育を受けていた未就学の子どもたちに関しては、一時的に療育が受けられなくなっていたが、定年退職された先生が非常勤で来てくださったことで5月から再開した。ただ勤務時間が週2日の10時間となったことで、これまで月2回だった療育は月1回になり療育の機会は半減した。また新規の受付ができていないため、令和4年度の後半~令和5年度の最初にかけて生まれ、難聴と診断された子どもはセンターで療育を受けられていない。乳幼児健診を担当している保健部ではこうした事態の把握はされているのか。

八角保健部長 把握していない。

本池 この度の件に関しては、下関市として山口県に対して抗議してもいい内容だ。しかし、この間センターとかかわりがある部局に聞きに行ったところ、「その件についてはうちではわからない」という言葉を何度も聞いた。この問題を通じて、市のなかに難聴児やその家族が相談をしたり、案内を受けるところがないのだと感じている。そしてこれまで難聴に関する情報提供や幅広い相談に乗っていたのがセンターであり、そこにいた先生だったということだ。保護者からすればまさか自分の子どもが難聴など思いもせず、まず受け止めることから大きな山を越えなければならない。たくさん涙も流されたと思う。そんななかで相談に乗ってくれていた先生がいなくなり、療育も満足に受けることができない。「早期療育ができないのなら、なんのための早期発見なのか」と涙ながらにいわれるお母さんにも会った。

今、考えなければならないことは主に3つある。1つは、半減している未就学児の療育の機会の確保を県と市で一緒に考えること。2つ目は、来年度から後任の先生が来ない場合、教育は学校で、補聴器のメンテナンス等の医療については宇部医大でおこなう可能性が高まっているが、これまで療育は一カ所で済んでいたのに別々に行かなければならなくなり、その分保護者が仕事を休んだりする必要が出る。この負担の軽減を考えていただきたい。当然1カ所での療育が必要なのだが、それまでの対応としてこの2点について考えていただけるだろうか。

冨本福祉部長 この事業については山口県の責任をもとにおこなわれるべきと考えているが、状況によっては本市の既存の事業などでカバーできるものも含めて対応を検討したい。

本池 そして3つ目が専門的な教員の確保と育成だ。これを山口県に対して問題提起をしていただきたい。なぜこのような事態が起きたのかを関係機関に聞いて回ったが、一番大事な部分についてが曖昧で、原因に目を向けることを避けているようにも見えた。県の推進室は「退職された先生のようなスキルを持った先生が他にいない」と定年退職された先生がいかに優れていたのかということを強調されていたが、スキルを持った先生がなぜいなくなったのか。調べていくと、平成20年に聾学校・盲学校・養護学校を統合し、5障害に対応した「総合支援学校」に移行したことにより、障害種別に精通した教員が育たなくなっている問題が見えてきた。例えば、聴覚障害専門の先生が知的障害児を担当することもあるし、異動もある。障害を持つ子どもたちにとってもプロがかかわることで獲得できるものがもっとあるかもしれないのに、その機会を摘んでしまうことにならないだろうか。専門性を持った教員の育成ができなくなっている実情に目を向けなければ根本的な解決にはならず、保護者が必要としている1カ所での療育も実現はできない。現場を抱える自治体の責任として県に実情をあげるなど能動的に動いていただきたい。

冨本福祉部長 まずは下関南総合支援学校に現状を確認したい。そのうえで山口県に対しても確認をおこない、難聴のお子さんや家族の支援に関して必要な場合には総合支援学校と山口県に対し何らかの働きかけを考えていきたい。

新生児聴覚スクリーニング検査について

本池 次に早期発見に欠かせない新生児聴覚スクリーニング検査について質問する。この新生児検査だが、出産後3日ごろにおこなわれるもので、産院によって違いはあるものの3000~1万円ほどの範囲で全額自己負担となっている。負担感は大きいが、生まれたばかりの赤ちゃんの健康の状態はみんな不安であり、ほとんどの方が検査を受けている。一方で負担の大きさから検査を受けられない方もいる。 続きを読む