ジビエセンター内に設置された冷凍コンテナ(豊田町)
下関市豊田町の「みのりの丘ジビエセンター」内に2月末、保管用の冷凍コンテナが設置されました。この冷凍コンテナは有害鳥獣捕獲にかかわる方々の要望の一つで、今年度予算に計上されていたものですが、新型コロナなどさまざまな事情で遅れ、ようやく実現したものです。
下関市ではシカ・イノシシ・サルなどの有害獣による農作物被害が増えており、高齢化する農家のみなさまの営農に大きな影響を与えきたことは皆さん周知のとおりです。有害鳥獣による被害を理由に、作付けをあきらめ、離農する農家も近年増えていました。
農作物被害を防ぐために有害重を捕獲してくださっている捕獲隊のみなさまのなかで、平成25年につくられたジビエセンターが、捕獲したシカやイノシシを受け入れることができない状態になっていることが指摘されてきました。そこにはセンター側の人手不足もあり、搬入量が多いときに捌き終えることができないことから、搬入を断ってきたそうです。捕獲隊のみなさまの高齢化も進むなかで、捕獲した獣を自分たちで処理することは大変です。捕獲に同行させていただいたさいにも、センターへの搬入が途中でストップし、捕獲隊のみなさまが困っておられました。
そうした実態からセンターの改善が求められており、改善策の一つとしてあがっていたのがセンター内への保管用の冷凍コンテナの設置です。これがあればセンターでの解体・加工が追い付かない日でも最低限の処理だけ済ませて保管しておけば、捕獲量の少ない平日に捌くことが可能になります。たくさん獲れた日でも搬入ができるとなれば捕獲隊のみなさまの意欲にも繋がるでしょう。
ただこのたびコンテナを見せていただいたさい、利用していくうえで改善が必要な個所がいくつかありました。今後、市と関係者の協議がなされていくことと思いますので、用途や使用実態にあわせて改善をおこない、農業の振興の一助となることを願っています。