第80回下関ふく供養祭に参加してきました。

4月29日、南風泊市場でおこなわれた第80回下関ふく供養祭に参列しました。

南風泊でのふく供養祭は、ふくの水揚げが終わるこの時期に感謝と慰霊のために下関ふく連盟が毎年おこなっておられるものです。会場は、祭壇と花輪で豪華に飾られ、水揚げをされている漁師や養殖業者のみなさん、市場関係者、行政関係者など大勢参列されました。

供養祭では、生産者代表、養殖業者代表、加工業者の代表に、前田下関市長と下関ふく連盟の理事長さんからそれぞれ感謝状が贈られ、今季最大となる9・7㎏のふくを水揚げされた漁師の方には大ふく賞が贈られました。

「慰霊のことば」では、全国の人々に尊い命を捧げたふくに対して、感謝の辞と、今季の水揚げの報告がなされ、天然物の減少などの逆境はあるが安心安全なふくを提供することが使命であるとして、今後に向けた決意がのべられていました。

全国にフグの本場として知られる下関ですが、なかなか普段の市民の食卓に出るものではありません。それだけに目に見えにくいものでしたが、フグにかかわる業者さんを含めてこれほど大勢の方々が参列し、毎年盛大な供養祭で感謝と慰霊をおこなわれていることに、改めて水産都市・下関にとってフグの恩恵はたいへん大きいものだと実感しました。

 

道の駅阿武町が大盛況する理由とは

先日、道の駅阿武町に行ってきました。

安くて新鮮な鮮魚や野菜の品揃えが豊富で「行列のできる道の駅」と知られている道の駅阿武町ですが、噂に違わずこの日も大盛況でした。開店前から、若い人もお年寄りも列を作って入口に並んでいました。特にこの日はリニューアル5周年の日でもあり、平時の数倍もの客入りだったそうです。

買い物客で大賑わいの「道の駅阿武町」

圧倒的に人気なのは鮮魚。地元の奈古、宇田郷の漁師さんたちがとってきた新鮮な魚が破格の安値で売られています。お値段も、たとえば小アジ1パック(20匹)が80円~100円など超お買い得! しかも鮮度は抜群です。開店から10分たたずして第1弾は完売となり、その後、第2弾、第3弾と時間差で鮮魚が並べられます。青果も、ホウレン草、キャベツ、レタス、高菜、山菜、タケノコ、葉わさび、春菊、水菜、からし菜などなど、時期の野菜がもりだくさんです。

阿武町は人口3000人の小さな町ですが、この道の駅の魅力を知り尽くした人たちが、これほど町内外から集まっていることには驚かされます。

農林水産物のほかにも、食堂あり、スイーツあり、温泉と温水プール、芝生公園、そして美しい海。若者から高齢者、家族連れまでが長時間楽しめる場所です。

開店と同時に入店するお客さんの列

阿武町では、本年を「第一次産業再生元年」とし、町の基幹産業である農漁業にさらに力を入れていくそうです。少子高齢化の問題とかかわって、道の駅でも出荷者の高齢化の問題はあるといいます。しかし人口減少を食い止めるための並々ならぬ努力をされてきたこと、その効果が着実にあらわれていることに確信をもっておられ、「まだまだこれからだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

人口減少・高齢化といえば、下関も同じ問題を抱えています。とくに阿武町と同じ農漁業を基幹産業とする豊北地区や豊田地区では高齢化も深刻ですが、「どうにかしなければならない」という切実な思いがあるものの、個人の努力だけではどうにもできない現実があります。

人口減少を解決する糸口は、人を増やす努力のなかでしか見いだせません。その意味で、阿武町は町と住民が一体となって農漁業の後継者の育成に力を入れ、雇用を創出し、人口減少の問題に本腰を入れてとりくんでいます。下関の人口のおよそ100分の1しかない小さな町がこれほどの活気にあふれている背景には、「人が少ないから仕方がない」と諦めて縮小していくのではなく、過去と現在とを分析し、解決に向けて具体的な対策を講じ、それを住民と一緒にとりくんでこられていることが大きいのではないかと思いました。かつてない人口減少にどのように向きあうのか、その違いが決定的だと思います。人口減少が避けられないものと捉えて思考停止したり、外の力に期待するだけではなく、地域の魅力と強みを生かした努力によって再生の余地が十分にあることを教えられる視察でした。

地域によって条件の違いはありますが、成功例をしっかり学んで、下関ならではの解決策をみなさんと一緒に探っていきたいと思います。

 

JR山陰線の駅トイレを誰もが安心して使えるものに

近年、下関市の山陰側は観光に来られる方が増えています。代表的なスポットは角島や元乃隅神社(長門市)などですが、ほかにも農漁業地域ならではの美しい自然と豊かな食、歴史が多くあります。この山陰地域を南北に走るJR山陰本線は、そのような観光客の方々や、豊北・豊浦のみなさんの暮らしを支える重要な役割を持っています。利用者減少の問題はありますが、この地域になくてはならない重要な公共インフラです。

この山陰本線の各駅のトイレがあまりにも古く利用しにくいことが住民のみなさんのなかで問題視されています。トイレはあるのにトイレに行けず目的地まで我慢した観光客の方の話や、乗客がトイレを貸してほしいと駅近くの住民の方のところに頼みに来たという話もあります。最大の要因は、構造的な問題になりますが、汲みとり式であることです。仮設トイレのように水洗になっている汲み取り式ではなく、大きな穴が空いている、いわゆる「すっとん便所」です。阿川、粟野は建屋も古い木造で中は薄暗く、駅が無人になっていることもかかわって、利用しにくいというよりも近寄りがたいのが現状です。

下はその写真です。果たして、観光地として胸を張ってお客さんを招くことができるでしょうか?

(左上から時計回りに)長門粟野駅、阿川駅、特牛駅、宇賀本郷駅のトイレ

特牛、阿川、長門粟野の3カ所については、以前JRがとり壊そうとしていたそうですが、「駅利用者にとってトイレは必要」と住民のみなさんが訴え、JRは市に無償譲渡しました。その後は市から委託を受けた神田・阿川・粟野の各振興協議会が清掃をおこなってくださっています。

住民のみなさんからは、「普段から山陰本線を使う高校生たちのためにも、駅は綺麗でトイレも気持ちよく使えるものでなければいけない」「駅に降り立った観光客が、トイレに入って使わないまま出てきたりしたこともあったが、これではいくら観光地として宣伝してもだめではないか」といった声が聞かれます。全国でも有数の花火大会として知られる「ほうほく夏まつり」には、毎年数万人の人が来られますが、このときも阿川駅を利用する人は多いです。浴衣の女性が困っている様子を知っている人からも心配の声が寄せられています。

JR山陰本線を利用する人が使うトイレであり、本来ならJRが責任もって整備しなくてはならないと思います。新築した下関駅や長府駅には市からも多額の税金が投入され、駅ビルに市の施設を入れることで定期的な収入を得ています。それと比べ、山陰本線沿線の駅の扱いはあんまりではないでしょうか。利用者の少ない路線だから我慢しなければいけないのでしょうか。みなさんが望んでいるのは豪華なトイレでなく、安心して利用できる「普通のトイレ」です。

「みすゞ潮彩号」に続き、下関市・長門市・萩市が連携した観光列車「○○のはなし」や、トワイライトエクスプレス・瑞風も通過する山陰本線です。地域に住む人々が安心して利用できる施設であることが、訪れた人たちに気持ちよく楽しんでもらい、リピーターを増やすことにも繋がります。観光PRをする前に玄関口である駅のトイレの整備をしてほしいと思います。