先日、道の駅阿武町に行ってきました。
安くて新鮮な鮮魚や野菜の品揃えが豊富で「行列のできる道の駅」と知られている道の駅阿武町ですが、噂に違わずこの日も大盛況でした。開店前から、若い人もお年寄りも列を作って入口に並んでいました。特にこの日はリニューアル5周年の日でもあり、平時の数倍もの客入りだったそうです。
買い物客で大賑わいの「道の駅阿武町」
圧倒的に人気なのは鮮魚。地元の奈古、宇田郷の漁師さんたちがとってきた新鮮な魚が破格の安値で売られています。お値段も、たとえば小アジ1パック(20匹)が80円~100円など超お買い得! しかも鮮度は抜群です。開店から10分たたずして第1弾は完売となり、その後、第2弾、第3弾と時間差で鮮魚が並べられます。青果も、ホウレン草、キャベツ、レタス、高菜、山菜、タケノコ、葉わさび、春菊、水菜、からし菜などなど、時期の野菜がもりだくさんです。
阿武町は人口3000人の小さな町ですが、この道の駅の魅力を知り尽くした人たちが、これほど町内外から集まっていることには驚かされます。
農林水産物のほかにも、食堂あり、スイーツあり、温泉と温水プール、芝生公園、そして美しい海。若者から高齢者、家族連れまでが長時間楽しめる場所です。
開店と同時に入店するお客さんの列
阿武町では、本年を「第一次産業再生元年」とし、町の基幹産業である農漁業にさらに力を入れていくそうです。少子高齢化の問題とかかわって、道の駅でも出荷者の高齢化の問題はあるといいます。しかし人口減少を食い止めるための並々ならぬ努力をされてきたこと、その効果が着実にあらわれていることに確信をもっておられ、「まだまだこれからだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。
人口減少・高齢化といえば、下関も同じ問題を抱えています。とくに阿武町と同じ農漁業を基幹産業とする豊北地区や豊田地区では高齢化も深刻ですが、「どうにかしなければならない」という切実な思いがあるものの、個人の努力だけではどうにもできない現実があります。
人口減少を解決する糸口は、人を増やす努力のなかでしか見いだせません。その意味で、阿武町は町と住民が一体となって農漁業の後継者の育成に力を入れ、雇用を創出し、人口減少の問題に本腰を入れてとりくんでいます。下関の人口のおよそ100分の1しかない小さな町がこれほどの活気にあふれている背景には、「人が少ないから仕方がない」と諦めて縮小していくのではなく、過去と現在とを分析し、解決に向けて具体的な対策を講じ、それを住民と一緒にとりくんでこられていることが大きいのではないかと思いました。かつてない人口減少にどのように向きあうのか、その違いが決定的だと思います。人口減少が避けられないものと捉えて思考停止したり、外の力に期待するだけではなく、地域の魅力と強みを生かした努力によって再生の余地が十分にあることを教えられる視察でした。
地域によって条件の違いはありますが、成功例をしっかり学んで、下関ならではの解決策をみなさんと一緒に探っていきたいと思います。
コメントをいただき、ありがとうございます。また、返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
漁師になりたいとのお申し出非常にうれしいです。下関でも大変ではありますが、精力的に活躍されている漁師さんがたくさんいらっしゃいます。
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