3月定例会の個人質問「学校体育施設開放の予約システム導入問題」についてのご報告。

 下関市議会3月定例会の来年度予算をめぐる個人質問(6日)で、昨年からスポーツ関係者のなかで大きな問題になっている学校体育施設の予約システム導入問題をとりあげました。スポーツ振興課は関係者の声は認識しつつも「問題ない」「今すぐ見直す必要はない」との見解を示しましたが、すでに起きている混乱を顧みることなくこのやり方を続けるなら市民の混乱は増すばかりではないかと思います。以下、個人質問の質疑要旨を紹介し、ご報告といたします。引き続き、皆様からのご意見をお待ちしております。

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本池 前田市長は施政方針のなかで「文化・スポーツの振興により交流の場を創出することで地域の活性化や交流人口の拡大を図る」とされ、その方針に沿って体育振興費1億4150万円、このうち社会体育振興育成業務には8192万円が計上されている。
 社会体育の振興と深くかかわって学校体育施設開放業務がある。この業務をめぐって下関市では現在、利用団体やスポーツ関係者から非常に厳しい怒りの声が上がっている。学校体育施設開放業務の事業内容とその目的を示してほしい。

田中観光スポーツ文化部長 下関市におけるスポーツ及びレクリエーションの振興のために、市立小・中学校の体育施設を学校教育に支障のない範囲内で広く市民に開放するものだ。

本池 学校開放をめぐっては、以前は各学校の利用団体でつくる体育推進運営委員会が受託しており、利用者は窓口である学校を経由して登録・利用申請をおこない年間の利用を決め、希望が重なったりしたときには話しあい、譲りあって利用がされてきた。これが業者による一括窓口に変わったのが令和6年度の利用分からで、来年度の利用分から予約システムによる予約と利用調整が始まっている【表①】。昨年12月に開いた説明会の参加者合計とどのような声が出たのか示してほしい。

田中部長 市内5カ所で利用団体やスポーツ関係団体等を対象に説明会を開催し、317団体、454人に参加いただいた。おもな意見としては、既存団体の活動を優先してほしい、備品や消耗品の管理をどうするのか、1カ月ごとの利用予約では活動の維持が懸念されるといった指摘がある一方、空き状況が明確化されることで活動場所を確保しやすくなったという意見もいただいている。

本池 私も1カ所に行ったが、かなりの意見が出ていた。その他の会場の様子も聞いたが、さらに激しかったようだ。その声を受けながらも2月1日には4月利用分の申請・予約【図②】が始まった。まず登録団体はいくつになったのか。

田中部長 4月分の抽選実施日である2月11日時点で登録団体数は485団体だ。

本池 2月11日の抽選結果通知で利用希望が叶った団体数とそうでない団体数は?

田中部長 485団体のうち428団体が申し込み、利用希望が1件も叶わなかった団体は23団体あった。

本池 1件でも当選した団体が残りの405団体だ。全体の申し込み件数と当選件数、落選件数を示してほしい。

田中部長 8223件の申し込みがあり、当選は7018件、落選は1205件。当選率は85・4%だった。

本池 市として一回目の抽選結果をどう評価しているか?

田中部長 相当の利用団体が希望する活動場所を確保できており、落選した団体も空き状況を見て継続的に予約している。システム導入前の活動状況と比較しても大きな差異は見受けられないので、概ね想定通りの結果であると考えている。

本池 私は1件も当選しなかった23団体がその後どうされているのか本当に心配している。そして405団体についても、複数件申請して1件でも落選すれば関係者がどんな苦労をされているかをご存じないから「概ね想定通り」といわれるのだと思う。予約システムの導入の話が浮上して以来現在まで関係者からたくさんの声をいただき、なかでもとくに重大だと思われる点について質問する。

一つ目は活動拠点が実質的に失われることによる活動の不安定さだ。たとえばどこかのチームに入って練習してみようとなったとき、「どこで、何曜日の何時から練習しているか」が一番大事な情報になる。でもそれがいえない状況だ。とくにスポ少やクラブチームはこの情報を募集チラシ等でも発信されている。それがあるから募集も申し込みもできる。「曜日が不確定では入れない」という声もあるし、指導者側の声としては、月謝をもらっているので「場所が確保できないために練習できない」は許されない。だからといって曜日や場所を変えることができるだろうか? 子どものいるチームだったら子どもたちの放課後や土日の過ごし方が大きく変わるし、送迎する保護者の予定にも影響が出てくる話だ。

指導者も仕事を持ちながら、子どもたちの成長に携わっていただいている。「場所」も「曜日」も社会体育に参加するための大事な条件だ。だからこそ関係者が必死に施設の確保に動いておられる。社会体育を支えて下さっているみなさんのことを想像しているだろうか? はっきりいえば、関係者になにをさせているのかという話だ。

 スケジュール【図②】を見ると、1カ月中会場が確保できるかどうかに追われ、すぐに次の月の予約が始まって、年がら年中、朝も夜も考え続けなければならない。この状況はスポーツ振興の観点から見てどうか。

田中部長 本業務においては利用団体の活動すべてに対し、特定の曜日や時間を毎回必ず担保することは難しいということをご理解いただきたい。そのうえで市民のだれもが身近にスポーツを親しめる環境を整え、さらに公平性を担保することはスポーツの振興につながると考えている。

本池 次に、システム導入のうたい文句であった公平性の質問だ。私自身、公平性といってこのようなシステムを強引に入れること自体に疑問を持つ立場だが、市がそういうからには本当に公平にするのか見なければならないと考えている。

市内中心部の競争率の高い学校では、地域のスポーツ団体の利用日である週2日を学校が非開放にしてしまって、他の団体が予約できる枠すらない状態になっていると聞いた。このことは認識しているか。しているのであればどのような対応をしているのか。

田中部長 当該事案は学校長が状況を踏まえて優先利用の取扱を判断して開放不可日とされているものであり、特段の対応はしていない。

本池 学校任せでなにもしていないといっているが、そういう対応が社会体育の振興になっていると考えるか。

田中部長 対応には問題がないと考えている。

本池 「公平」だと考えているのか?

田中部長 この状況であれば公平であると考えている。

本池 そのかかわりはどうかと思う。私は、スポーツを通じた交流や、人間関係の希薄化等をかかえる地域社会の再生、心身の健康の保持増進という視点からも、地域の方々の活動もまた大事だという立場だ。しかしそれはみんな同じだ。だからこそ譲りあって気持ちよく使わなければならない。そうした利用をしていく働きかけを社会体育を所管するスポーツ振興課はしなければならないはずだ。

スポーツの振興のためにさまざまな施策があるし、例えばこのたびの予算でも賞賜金など選手の活躍を称えるものも含まれている。そういう結果も日頃の活動あってのものではないか。もっといえば社会体育を支えて下さっている関係者のおかげだと思う。この学校で起きている事象に対し、一度でも学校や利用団体と膝をまじえて話をしているか? 教育委員会に話をしただろうか? していない。「学校が決めたこと」といって目の前の問題から逃げているだけではないだろうか。

その結果、練習場所からはじき出されるチームが出て、団体同士の対立が深まり、分断されて、学校や窓口には苦情が押し寄せている。終いには学校をどう抱きこむかみたいな話にならないだろうか。今の対応は学校を立てているように見えて実際は放り投げであり、学校関係者をどんどん苦しい立場にしている。

2年前、学校現場も社会体育の実情も無視して調整業務を市内一括で民間業者に放り投げたことで混乱が生じた。やり方を変えた背景には社会体育の窓口であった「教頭先生の負担軽減」があった。ここまできて、その達成度はどうか。 続きを読む

水道料金値上げについて。【反対討論】

12月議会最終日の17日、市議会は来年4月からの水道料金を平均2割改定する条例案を賛成27、反対5の賛成多数で可決しました。来年4月から現在の水道料金が家庭用で約20~30%の割合で上がることになります。老朽施設の更新や維持管理に対するお金は必要です。それら事業に必要な経費を料金収入で確保していくというのが現行の制度です。しかし、現在の物価高における市民生活を考えたときそれは不可能で生活が立ち行かなくなる人が出てくる心配がおおいにあります。そうした市民生活に対する行政側の議論がないこと、水道局による料金改定の進め方のおかしさ、そして現行制度のあり方を転換しない限り市民負担は今後際限なく膨らんでいくと考え、以下のように反対意見をのべました。

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「下関市水道事業給水条例の一部を改正する条例」「下関市飲用水供給施設の設置等に関する条例の一部を改正する条例」に反対の討論をおこないます。

反対の理由は、今回の水道料金改定が市民生活へ与える影響が大きすぎる点と、上下水道局の料金改定の進め方であります。まず、市民生活へ与える影響としては、昨今の物価高で市民が本当に苦しい生活をしているなかで、なぜ今、20%もの改定をおこなうのか、市民生活への影響、打撃をまったくわかっていないのではないかと考えるからであります。

単身高齢者でわずかな年金のみで暮らしていらっしゃる方は本当に苦しい生活を強いられています。少ない年金額に対して、物価が高すぎて、生活の苦しさが増しているなかにあって、国は抜本的な対応をしてくれず、現場の市町村任せです。

そのような状況のなかで、生活者にもっとも身近であるべき市町村までもが、追い打ちをかけるように水道料金を一度に20%も値上げするのです。これまで下関市を支えてきてくれたような人たちを切り捨てるような話だと私は思います。

しかもこれは、ひと月20㌧使用した場合の数字であり、実際には水道使用者の4割近い人は、ひと月10㌧以下の使用です。ひと月10㌧の使用を見た場合の改定率は20%をこえていて、30%をこえる人もいるんです。つまりは、改定率20%といいながら、市民の4割は20%をこえる料金改定を強いられることになります。

明日から価格が20%をこえる、30%をこえるという話は、牛肉やおコメ、玉子などの話ではありません。生活になくてはならない、水の話です。

市民は牛肉が高ければ、鶏肉、豚肉にかえる、おコメが高ければ、パンや小麦の製品にかえる、玉子が高ければ玉子を使わないような工夫を必死でします。でも、水はかわりがきかないんです。

9月の一般質問の答弁のなかで、市長は、ペットボトルも値が下がっているというようなことをおっしゃいました。このような発言も本当に市民生活を理解されていないんだと感じます。

確かに以前に比べれば安価なペットボトルは出てきています。でも、生活に必要な水は飲み水だけではないんです。炊事、洗濯、トイレ…さまざまな場面でなくてはならない水であり、ほかに替えがきかないものであります。

一方で、ほかに替えがきかないから、将来世代に水道をつなげていくためにも我慢しろという主張もあるでしょう。今を生きるものだけのことを考えてはダメだ、将来の子や孫たちのためにも我慢して受け入れるべきだという主張もあるでしょう。

そのことを理解したうえで、私は、市民一人一人の顔が、生活が、本当に見えていますかということを訴えているのです。

今日、明日の生活を必死で生きている人を前に、将来のためにという言葉が、どれだけ意味を持つのでしょうか。将来のことを考えることも大事ですが、本当に大事なのは今日の生活、明日の生活であり、その生活がやっていけると感じたうえで、初めて将来のことが考えられるのではないでしょうか。

私も含めこれまでの議会では、上下水道局だけではなく、市の財政にも対応が求められてきましたが、一様に法律や原則の話ばかり。厳しいいい方をすると自分たちの立場の説明ばかりで、全く市民生活、とりわけ生活困窮者の現実を直視しようとしていません。市役所、上下水道局は誰のために存在しているのかということに、私は一層疑念を持ちました。

 

次に、反対のもう一つの理由として、料金改定の進め方です。象徴的なのが先ほどあげた改定率の話です。改定率20%といいながら、多くの市民には30%をこえる改定率であることを明確にせずに改定を進めてきた点への不信感です。

こうした不信感は広報の仕方でも感じました。

なかでも、8月におこなった市民説明会では、市内8カ所で開催したといいながら、1人も参加者がないところもあったため、再び説明会をすべきではないかということを私は訴えました。

市民説明会があること自体を、多くの市民は全く知らなかったからです。行政ではよくある話ですが、かたちだけ整えておいて、参加者が少なくても後で一応の言い訳ができるようにしておくようなものが感じられるものでした。これが、市民生活に大きく影響する水道の話であるため私はより声を強めて訴えたのです。

結局その後、自治会長を通じてしっかり周知をして説明会のやりなおしをおこなった地区は、当初に比べてはるかに多くの参加者があり、反対の意見もありました。それなのに、ほかの地区での説明会のやり直しをすることなく、ホームページや動画を公開しているというような広報の進め方で、大きな見直しはせずに今日に至っています。

 

上下水道局の最終的な説明は、反対もあったが賛成の意見もあり、経営審議会でも妥当とされたということですが、この経営審議会の議論のなかでも、市民生活の実態を議論されたようなものはありません。また、行政内部、例えば市長部局と上下水道局の間で今回の料金改定が市民生活に与える影響について議論した形跡もありません。この点を問いただした回答としては、「情報提供はしている」という冷たいものでした。

これまで私は水道事業の知識が少なかったことから上下水道局を訪問し、説明を受けてきました。誠実に対応もしていただいたと思っています。

しかしながら、今回の料金改定については、市民生活へ与える影響が大きすぎる点と、上下水道局の料金改定の進め方に不信感が拭えない点から、明確に反対の意志を示したいと考えています。

加えて、今、全国各地で水道料金の値上げがあいついでいますが、それらを見ていると一市町村でなんとかなるような状況ではないことは明らかです。目の前の交付金や補助金の確保や活用はもちろん大事ですが、時代にあわなくなっている現行の制度を変えていくことしかないのではないでしょうか。

具体的には、市民の負担が青天井になっていく根拠の地方公営企業法の「独立採算の原則」、地域間格差拡大の要因となっている水道法の「市町村経営の原則」、この見直しです。現在を生きる市民も将来の市民も、市民の財産である水道事業も守っていく制度に変えていくこと、これを国に対し強く要望していただきたいと思います。

水道料金改定をめぐっては議員のみなさんのなかでも意見が分かれるところだと思いますが、最後に私が一番に訴えたいのは、みなさんそれぞれが、本当に市民一人一人の生活、顔を見ていますか、想像を働かせていますか、ということです。

私の反対討論は以上です。

 

12月議会での一般質問「子どもたちが育つ教育環境の維持管理、改修、更新について」のご報告。

17日に12月議会がおわりました。

私は12日に一般質問をおこない、「子どもたちが育つ教育環境の維持管理、改修、更新について」として、老朽化が深刻な事態になっている安岡小学校をはじめ市内の校舎の設備更新について質問をおこないました。

遅くなりましたが、以下、質疑要旨の文字起こしを掲載しご報告といたします。傍聴に足を運んで下さったり、中継を見ていただいたみなさま、ありがとうございました。

安岡小学校「2舎」は建て替えへ

本池 子どもたちが育つ教育環境の維持管理、改修、更新について質問する。今年2月議会でもこのテーマで質問したが、今、市内の多くの学校施設は「老朽化」を通り過ぎてとても「危険」な状態になっている。学校施設の維持管理については、学校施設長寿命化計画にもとづき大規模改修と予防保全をおこなっており、このほか緊急性の高いものは適宜「修繕」により対応している。そのほか、空調整備事業、トイレ快適化事業、LED化改修事業に加え、個別には、玄洋中学校区小中一貫校施設整備事業、安岡小学校校舎増築事業としてプレハブ校舎の建設が動いている。ただ、学校施設の危険な状況は全般として改善に向かっておらず、子どもたちが学ぶ環境が年月の経過とともにどんどん悪化し、先が見えない状況に置かれている。

教育委員会が9月末に委員会に提出した資料で、今年8月9日~12日にかけての大雨で雨漏りした学校は、64校中34校という信じがたい数になっている。この雨漏りも含め、どれほどの学校で雨漏りが起きているのか。

門田教育部長 冒頭、「とても危険な状態になっている」といわれたが、とても危険な状態があるのならぜひ申し出ていただき、早急に対応したいと思っているので、遠慮せずにすぐにいっていただきたい。

雨漏りの状況だが、令和6年度は117件。そのうち修繕が完了したものが110件だ。残り7件の内訳は、同様の不具合が生じていないため「経過観察」となっているものが4件、修繕対応中が1件、工事対応を検討中が2件となっている。令和7年8月の豪雨による雨漏りは36件で、修繕完了は17件。修繕が完了していない19件の内訳は、「経過観察」が10件、工事中が1件、工事対応を検討中が8件となっている。

本池 「危険な状態があるなら申し出ていただきたい」といわれたが、教育委員会は把握済みのはずだ。

今年の大雨でもっともひどい雨漏りが起きたのが安岡小学校だ。9月に宮野直樹議員が詳細についてはとりあげた。雨漏りのひどかったのが築71年の2舎だ【写真】。外壁の剥落だけでなく、剥がれたあとのコンクリート部分も劣化し、崩れているのがわかる。これが危険ではないというのか。

8月豪雨で大規模な雨漏りが発生した安岡小学校「2舎」の外と内の壁(10月)

雨漏りした屋上は、しばらくビニールシートで覆ってあったが、最近になって塗装がほどこされた。その内側もかなり傷んでおり、その結果、雨が校舎内に流れ、床板が浮き上がったり、雨漏りで子どもたちの教科書やピアニカが濡れて使いものにならなくなった。

この校舎は耐震補強もされておらず、コンクリートの圧縮強度が足りない「要調査」の校舎だが、今年7~9月に校舎耐力度調査を実施していることが9月の宮野議員の質問で明らかになった。基準点を下回れば「構造上危険な状態にある建物」として建て替えの対象になると説明しているが、結果はどうだったのか。

教育部長 安岡小学校の耐力度調査は、耐力度点数の満点が1万点であるのに対し、3764点となった。国庫補助における長寿命化改良事業の対象判断において、耐力度点数が4500点を下回る建物は長期間の使用に適さないとされている。今後、国の補助を活用し校舎の改築に向けて検討していく。

本池 基準点以下で長期間の使用には適さない、そして改築の対象になったということか。

教育部長 その通りだ。

本池 教育委員会として今後、2舎の建て替えを進めていくということでいいか。

教育部長 検討に入っていく。

本池 建て替えするかどうかの検討ではありませんよね。

教育部長 改築つまり建て替えるという形で検討していかなければならないという判断をしている。建て替えを今後どの規模で、どの時期に、どうやっていくのか検討していく。

子どもの命に関わる問題

本池 今後のスケジュールはどの程度まで決まっていて、どのように進めていくのか。

教育部長 現在のところ決まっていない。

本池 完成時期はいつごろを目指すのか。

教育部長 工事実施がまだ決まっていないので、完成時期についても未定だ。

本池 耐力度調査の結果で「長期間の使用には適さない」という結果が出ている。つまり構造上危険な状態にある。いつまでも待つことはできない。来年度には計画策定に着手するなど、なにもないのか?

教育部長 長寿命化の補助事業に乗るか乗らないかというのが一つの判断だ。たちまちこちらのものが危険だということではないと思うが、国の補助事業の長寿命化(大規模改修)に乗らないのであれば、別の方法をということで、建て替えの方向で考えている。学校の建て替えは限られた敷地のなかで授業をしながら工事をおこなっていくため、通常いろんな調整が入る。いつできるかスケジュールとしては持ち合わせていない

本池 長く使うことが適さないという結果が出ているのだから、何年も検討を長引かせることがないようにしてほしい。「建て替えが必要」という結論については、保護者・地域からは大変歓迎されると思う。子どもたちの学ぶ環境がやっと改善に向う道筋が見え安心した。校舎は非常に危険な状態になっており、悠長にしている時間はないので早急にやっていただきたい。

しかし一方で、そのような結論にたどりつくのは必然でもあるように思う。これほどまでに老朽化した学校をさらに長寿命化して使うという結論が出るなら、それはむしろ異常だ。今後、建て替えが進んでいくのは2舎だけか。安岡小は全体的に老朽化が進んでいる。今年の夏ごろにはもっとも新しい築43年の4舎の屋上部分が剥がれて落下する事態になっている。2舎の1棟だけでなく、残りの3棟や雨漏りしている体育館も含めて、安岡小の全体的な計画を考えていく必要があると思うが、検討するのは2舎だけか。

教育部長 建て替えについては2舎のみ。その他については、建て替え、長寿命化も含めた施設管理の計画のなかで優先順位をつけ判断していく。

本池 安岡小学校は今、教室不足が深刻だ。体育の授業のさいには男女が入れ替わって着替えないといけないとか、PTA室もないとか、1年生が2年生に上がるタイミングで5クラスから4クラスに編成されるので狭くてたまらないとか、特別支援学級が2つのクラスを1つの教室でやったり、通級が図書準備室を使ったりしている。これへの対応として、10年で3億円のプレハブ校舎を増築するのだと動き始めている。少人数教室、多目的室、放課後児童クラブなどの不足に対応するもので、改善する部分はあるが、普通教室が入っていないため教室不足の解消にはならないことが指摘されている。2舎を建て替えるとなると条件も変わってくると思うので、安岡小全体を考えた計画の検討が必要だと思うがどうか。

教育部長 建て替えにおいては、仮設、その後の使用方法も含めて、工事にともなう児童の影響も踏まえ検討もしていく。

本池 よくわからないが、安岡小全体を考えた計画の必要性について考えるのか。

教育部長 安岡小全体を新築にするという検討はない。

本池 全体を一気に新築してくださいといっているわけではなく、2舎の建て替えにともなって、教室不足や、他の校舎の老朽状況、体育館の雨漏りも踏まえて全体的な計画をつくらなければいけないのではないかと聞いている。

教育部長 2舎以外の校舎については現在のところ「使えるもの」と判断している。使えるものについては長寿命化計画のもとで長く使っていきたい。教室のあり方については、2舎を建てるときに教室のレイアウトであったり、不足している教室などの検討はする。

本池 もっとも新しい校舎の屋上が剥離し落下したことや、体育館の雨漏りも紹介したが、必要な改善を必要な時期にしなければ2舎と同じことが起きる。危険な状況を一刻も早く解決するために2舎の建て替えは早急にし、そのほかの不具合箇所や危険な場所についても解決のためにとりくむことを求める。

「要調査」の学校の現状

本池 こうした学校施設の老朽化は安岡小に限らない。安岡小2舎の建て替えの目途がたったことはいいが、逆に、市内の他の学校の危険な校舎は、安岡小2舎のような状況にまでならなければ建て替えが検討されないのか――という疑問が湧いてくる。雨漏りや屋上・外壁が落ちている校舎はたくさんあるが、子どもたちの教材が犠牲にならないと校舎の建て替えは検討されないのか。

築年数を見ると他の学校の校舎も安岡と似たり寄ったり。残念ながら、雨漏りは多くの学校で当たり前になっている。少しひどい雨になると管理職の先生がバケツを置いたり、たまった水を捨てるために走り回っておられる状況だ。

加えて、豊浦小や勝山小のように外壁が剥落してどんどんなくなっていったり、川中西小では窓が落下する危険性が生じて窓が固定された。また、多くの学校で窓が枠ごと固定され、片方は開けられない状態になっている。天井が傷んで落ちてきた中学校も複数ある。

教育関係者が「児童・生徒の犠牲が出ていないのが奇跡だ」と口にするほど今の学校現場の状態はひどい。もちろん工事で対応済みのものもあるが、応急的であったり、場当たり的といわれても仕方ない工事内容になっており、現状を安全・快適なレベルまで改善するところには至っていない。誰が考えても建て替えが必要なのに、安岡の2舎のような状態になるまでできないということにはならないか。

安岡小2舎と同じく、耐震性もなく躯体健全度調査でコンクリート強度が足りずに「要調査」となっている校舎がほかにもいくつかある。その校舎はどの学校に合計何棟あるか。加えて耐力度調査の実施の有無はどうか。

教育部長 文関小が2棟、清末小が1棟、誠意小が1棟。要調査の校舎に対する耐力度調査は大規模改修工事の実施前におこなう予定としていたので、現時点では安岡小以外ではおこなっていない。しかし、安岡小の耐力度調査結果を踏まえ、その他の要調査となっている校舎についてもできる限り速やかに調査をおこなっていきたい。

本池 長寿命化判定をおこなったのは平成18年~24年ごろだ。すでに10年以上、20年近くたっているのに、「要調査」にしたまま耐力度調査をおこなっていないということだ。「よりよい教育環境」以前に、生徒の命や安全をどのように考えているのかという問題だ。今回安岡で基準点以下になったが、そのほかの学校もわからない状態だ。耐力度調査はいつ実施するか。

教育部長 できるだけ速やかにおこなっていきたい。

本池 来年度にやるのであれば予算化に向けて動かなければならないがどうなっているか。

教育部長 予算編成のなかで判断される。

本池 命がかかわっているので早急にやってほしい。年数でいえば安岡小2舎より古い校舎も含んでいる。事実として、「健全ではない」という結果が出ている校舎に子どもたちを詰め込んで、その先を決めるための調査をいつまでもしていないのはおかしい。早急にやってほしい。

放置されている誠意小の現状

本池 安岡小と同じく、「要調査」の校舎を抱えている誠意小について聞く。誠意小は今年で150周年を迎え、現在153人の児童が通っている。築45年の「新校舎」、裏に「要調査」となっている築67年の「旧校舎」がある。新校舎では1~3階のすべての男子トイレで小便器の水が流れない。そもそも用を足したあとにその都度流す仕組みではなく定期的に上部のタンクから水が流れる「配タンク式」トイレだが、その水が流れない。だったらどうなるかわかると思う。なるべく臭いを抑えるために、毎朝、校長先生がジョーロに水を汲み、1日に何回も流しておられる。また、使う便器をローテーションしており、使ってはいけない便器には張り紙がしてある。この状況を教育委員会はご存じのはずだ。

誠意小学校の旧校舎のトイレと洋式便器

そして、築67年で「要調査」となっている旧校舎のトイレ【写真】だ。67年前の仕様なので電気が少なく全体的に薄暗い。女子トイレは、きれいに掃除されているが、ウェット式であり基本は和式。奥に一つ洋式便器がある【写真】が、まるでキャンプ場か海水浴場の仮設トイレのようだ。しかも、このトイレを日常的に使っているのは1年生と通級の子どもたち。木のパレットのようなもので高さを出してあるのはわかるが、これはあんまりだ。

校舎内部も雨漏りに加え、床板が剥がれているところをテープで補修してあったり、職員室の鍵が壊れたまま修理されず、輪ゴムで止めてある。防犯上もありえない状況だ。こうした状況についてはすべて教育委員会に報告が上がっていると思う。

こうしたことが長期間にわたって改善されない、危険個所すら手つかずという状況を見ていると、現在の整備事業がいったいどうなっているのかと思う。トイレの水が流れない状況を紹介したが、トイレ快適化事業の対象校に誠意小学校は入っているのか。

教育部長 対象校になっているが、現時点ではトイレ改修の時期は定まっていない。

本池 1~3階まで男子トイレの小便器はすべて水が流れないが、その状況はいつなおるのか。そのまま使っていくつもりなのか。

教育部長 現場を早急に確認させていただく。トイレ快適化事業は便器だけでなく、水の道(1階から3階までの配管を含めて)の敷設から変えていく事業で、これについては計画的にとりくんでいると思う。今後もそれぞれの学校の状況を聞きながら対応が必要なところについては急いで対応していきたい。

本池 旧校舎のトイレ【写真】だが、2月議会のさい当時の教育部長は、「平成30年には校舎の各フロアに1カ所以上の洋便器の整備を終えた」と答弁した。その洋便器がこれだろうか。1年生が使うものだ。「整備を終えた」といえるものではない。

誠意小学校は第3期適正規模・適正配置計画までは豊洋中学校に統合が計画されていたために長寿命化事業の対象にすら入っていない。統合がうち出されている学校は環境改善の見通しはないのだろうか。誠意小の改修はどのように進んでいくのか。

教育部長 誠意小は長寿命化計画の上位計画である第3期下関市立学校適正規模・適正配置計画において閉校予定となっていたため、大規模改修工事の計画は定めていなかった。今後は本年8月に定めた第4期下関市立学校適正規模・適正配置計画の整合を図るなど、長寿命化計画の見直しをおこなうなかで改修時期を検討していく。

本池 安岡も誠意も一つの事例であって、各学校それぞれが深刻な状況を抱えている。統合予定だからとか、児童数が少ないからとかで改善に向けて動き出さない状況があるのではないか。子どもたちの教育環境にとっての必要性よりも、「どうせ人口減少する」「児童が減る」などの大人の都合が優先され、後回しになってきたのが教育現場であると思う。

本池 市内のほとんどの学校で、改修を必要とする箇所が長期にわたって放置され、先生方や公務技師、学校支援課のみなさんのおかげでこれまで犠牲が出ずにきている。ここで、学校の改修がどこまで進んでいるのか質問する。まず、外壁や屋上防水について聞く。長寿命化計画では、対象施設254棟中、「5年以内に修繕が必要」のD判定が、「屋上・屋根」で105棟、「外壁」で104棟になっていた。どこまで進んだのか。

教育部長 大規模改修は菊川中学校の体育館の建て替え(令和4年度)、勝山中学校の校舎3棟(今年度完成予定)だ。予防保全は、令和4年度から今年度までに実施中のものも含め、外壁や屋根・屋上が4校4棟。トイレの大規模改修が15棟47フロアだ。

本池 屋根・屋上が105棟のうち何棟なのか。外壁が104棟のうち何棟進んだのか。

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