9月議会が閉会しました。(一般質問のご報告)

22日に9月議会が閉会しました。今回の一般質問では、令和3年度に発覚した未集金となっている介護報酬過払い金について質問をしました。この事件は、市内の介護事業所(1社)に対し下関市が3億円にのぼる介護報酬の過払いをしており、その返金について、40年以上にもわたる分割納付が認められたものです。数十年になる返済計画は過去になく、同業者の方々からも疑問の声が上がっています。今回、過払い金が発生した経緯や、なぜ40年以上にもわたる返還計画が認められたのか、判断基準の根拠としたものはあるのか、政治家の介入はなかったのかについて質問をしました。以下、質問と答弁の要旨を報告させていただきます。

未集金となっている介護事業者への介護報酬過払い金について 

 本池 ちょうど1年前、令和2年度決算の下関市介護保険特別会計介護保険事業勘定歳入歳出決算書において、突如2億2361万2973円が返納金の収入未済額として計上された。今議会に提出されている令和3年度決算でも返納金の収入未済額は2億1775万5825円となっている。ちなみに令和元年度の決算における収入未済額は207万円だった。巨額の収入未済額は令和2年度中に調定されたものだ。まず、令和3年度決算の収入未済額のうち事業者への過払い金で未収金となっているものは何件で、それぞれいくらあるか。

冨本福祉部長 令和3年度の下関市介護保険会計歳入決算、款諸収入の収入未済額は2億1775万5825円の決算額ででご指摘の通り。内訳は2件で、1件は2億1739万9467円で、質問の対象となっている行政指導に基づく返還金だ。もう1件は、35万6358円で行政処分として返還を求めていたものになる。

本池 大半が1件の返還金だ。このような過払い金がどうして発生したのか、対応及び回収は適切になされているのか質問する。発生の経緯だが、当該事業所の件については、平成25年度に実施した監査において、人員基準を満たしていないことが判明したため、改善勧告をおこなうとともに、介護給付費の請求の是正について文書指導をおこない、平成27年4月から、国民健康保険団体連合会のシステムを通じた過誤調整による返還が始まったということだ。当初は10年で完了する計画であったが、その後、相手方法人の経営状況から10年以上を要することが確実となったとのことだ。令和2年度に改めて相手方法人と今後の対応について協議をおこない、毎月50万円づつ、約40年かけて返済していく計画になったということだ。経緯については間違いないか。

福祉部長 間違いない。

本池 この決定にいたるまでの公文書にも目を通しているが、3億円に迫るほどの巨額な案件に対し、過誤調整で対応したのはなぜか。

福祉部長 行政処分ではなく行政指導で対応させていただいた。基本的に行政指導で対応した案件については、過誤調整ということで、誤った金額を毎月支給される介護給付金から差し引く手続きをとるようになっている。今回の案件も行政指導であったということで、過誤調整で対応している。

本池 過払い金が非常に巨額だが違反の内容はなにか。「人員基準を満たしていなかった」としかないが、違反の内容について述べてほしい。

福祉部長 配置が必要な専門職が人員の基準に達していなかった。

本池 介護報酬の算定については、複雑であるがゆえに過誤は少なくないと聞いている。入所者の介護度や人数、施設の人員、提供しているサービスなど、複合的な要素で計算されるため過誤が起きやすい。しかし、今回の場合は「人員配置」だ。しかも専門職。老人福祉施設における人員基準はそれぞれ明確に定められており、勘違いが起こるのかという問題がある。同業者にもお話を聞いたところ、毎年法人の状況や人員配置等について報告する「自己点検表」があるとのことだ。手元にあるのは介護老人保健施設の自己点検表だが、施設の種類によって、チェック項目があり、それぞれの専門職が何人いるか、それに対して「はい」「いいえ」の2択で答えるようになっている。過払いがあった期間について、法人側が「満たしていない人員」について、「いる」としていたのか、逆に「いない」と記載しているのに市が支払いを続けていたのか、この二つが考えられまるが、どちらか。

福祉部長 人員基準を満たしているという報告になっていた。

本池 事業者のほうが、いないにもかかわらず「いる」と書いていたということか。

福祉部長 丸をつける欄があり、そちらに「満たしている」と丸をつけていた。

本池 開業時から人員欠如が生じた状態だったのか、それとも途中で人員欠如が生じたのか。

福祉部長 この人員配置については平成22年6月からと把握している。

本池 平成22年6月から今までいた人員がいなくなったということだ。途中で人員欠如が生じたにもかかわらず、いないものを「いる」と報告していたのであれば明らかに虚偽報告にあたると思うがどうか。

福祉部長 基準については明確に文書化されているところでまずは判断するが、それぞれいろんな施設なり事業所なりで状況が違うため、解釈というものが国から示されている。その解釈について、こちらの事業所の方が誤った認識をしていたことが原因だ。

本池 誤った認識ということだが、先ほど自己点検票では「いる・いない」で答えるようになっている。それに対して解釈という余地があるのか。「いる・いない」しかないのにどのような解釈をされていて、誤った認識だったのか。

福祉部長 こちらの事業所の判断として、事業所の中の体制でカバーできるという判断をされていたという解釈の誤りだった。

本池 体制でカバーできるという相手方の主張があるから、市は勘違いだったという主張を認めたのか。市が、虚偽報告ではなく誤った解釈をしていたという主張を認める理由はなにか。

福祉部長 自己点検票だけで判断するのではない。聞き取りに行って、向こうの状況もお聞きをして、いろんな書類を調べて判断していく。そのなかで、詳細は申し上げられないが、解釈基準の判断のなかで、事業所としての全体的にフォローができる体制について、解釈自体は誤っていたがその範囲のなかでそこの事業者さんはそのように判断された。あとはいろんな報告とか説明をしてもらっているなかで、通常処分になる場合は、その職員がいないにもかかわらずいたかのような虚偽報告されたりということがあるが、こちらの事業所はそういった虚偽報告というかたちの悪質性はなかったので、指導という対応で処理させていただいた。

本池 公文書を見ていると、当初は月々350万円の支払いを約束したにもかかわらず、翌年には返済が滞っている。そして令和2年1月27日付で、事業者から「介護給付費返還の方法に関する上申書」が届いており、「月額100万円ずつの返済」を希望する内容となっている。その理由の一つとして“当時の福祉部長が「現在実施中の毎月の返還は、※※(黒塗り)、法人全体の運営状況、資金繰り等から返還が困難であるときは、猶予・延滞しても致し方ない」との判断がなされました経緯がございます”と書いてある。面会要約も添付されているようだがこの発言自体は事実か。市はこの事業者のこの主張を認めたのか。

福祉部長 私どもの記録も確認したが同じような記録はなかった。相手方にも確認したが、相手方についても把握と認識とがあやふやの状況だった。私どもとしては、それ以外の場面では、減額は認めることはできないと、どの場面でお話する場合でも一貫してそのように説明している。

本池 発言は事実ではなく、事業者がいっている主張については認めていないという理解でよいか。

福祉部長 認めていないと言い切れるかどうかはわからないが、こちらとしては記録がないし、こちらが一貫して説明しているとこと説明内容が異なるということで、そういう意味では、私どもとしてはそういう発言ではないという認識だ。

本池 この上申書に関していえば、コロナの影響をうける前の話だ。(福祉部長の発言については)記録がないし、事業者の認識と違うということだが、結局その後、コロナによる経営難を理由に100万円どころか50万円の分割納付を認めている。その経緯についてだが、返済が滞り始めてから月50万円の返済を認める方針が決裁された令和3年2月までの4年あまりの間、放置したわけではなく協議をしてきたといわれたが、いつ、どこで、だれと、どのような協議をしてきたのか。

福祉部長 対面で協議をしてきたのが14件ある。基本的に福祉部長、次長、介護保険課長、担当職員で対応している。

本池 市長が面会されたケースはあるか。

福祉部長 市長は3回面会している。私どもと同様に指導が適正になされたものと説明してもらっている。

本池 対面で14回、それとは別に市長は3回、計17回以上は協議されてきたことになるが、その内容は?

福祉部長 50万円の返還額になったのは最終的な協議の結果で、その間、その間相手方の経営状況であったり、保険料を預かっている立場としてというところで、こちらも顧問弁護士に相談しながら、相手方も顧問弁護士や税理士と相談しながら協議を重ねていったというところだ。

本池 最終的に50万円を認めたというのは、市長が対面されて判断されたということか。

福祉部長 当然協議のなかで福祉部で責任を持って話をお聞きしている場面もある。最終的に50万円でもやむなしというのが適切かどうかはわからないが、結論を出して、方針伺いを出して、市長まで決裁いただいて出した結論だ。

本池 先ほどの福祉部長の発言についても認めていなのに、結局、事業者のほうに譲歩に譲歩を重ねているようで、きわめて不可解に感じる。政治家の関与を問う声もあがっているがそのような事実はなかったのか。

福祉部長 責任をもって、行政としての判断をさせていただいている。

本池 電話や問い合わせもなかったか。

福祉部長 福祉関係の事業所については、おおむねどこも県議や市議とのかかわりはあるが、議員さんのほうからもそういった形で私どもにお話されることはなかったし、あくまでも行政として判断をさせていただいている。

本池 福祉施設については、いろんな政治家から連絡があると。全般の話としてではなく、この件について、100万円でも認めなかったところを最終的に50万円での支払いを認めているが、そのことに関して政治家の介入はなかったかと聞いている。

福祉部長 50万円の金額に関しては相手方の弁護士、税理士、私どもの顧問弁護士とも相談して、地域的に経営がもともと難しい状況にある事業所ではあるが、新型コロナの影響を大きく受けている事業所であったので、あわせて決算書なども確認している。そうした総合的な確認のなかで50万円と結論を出させていただいた。

本池 50万円の支払いを承認するうえで経営状況の確認をしていると思うが、それはどのようにおこなったのか。

福祉部長 決算書のほうは毎年いただいている。毎年いただいたものをすべて表にして、とくに前後の3カ年を踏まえた確認が十分できるようにして、事業収入や負債などがどういう変化をしているのかについて確認している。

本池 事業者が市に提出したものだけなのか、業者のほうに出向いて他の書類も確認されたのか。

福祉部長 基本的には提出をいただいているものになるが、私どものほうが決算書の中身で疑問に思うところなどは相手方のほうに連絡をいれて確認するなどしながら確認作業をおこなっている。

本池 2億の過払い金を40年かけて返済するという計画を市が認めたことについては業界の方々みなさん驚いている。介護事業者の方々にお話を聞いたところ、過誤はありうることですが、「人員配置に関しては勘違いということはありえない」とみんないわれる。同じように市の監督を受けている事業者の実感としては、「指定取り消しの案件」という受け止めです。100歩譲って、それが勘違いで起こったものであったとしても、「自分だったら借り入れをしてでも、まずは公費の返済をする」「それがが当たり前」とか、「これまでいた人員が減った時点で、市に相談して対応を考えるのが普通ではないか」と指摘されていた。それが行政から指定を受けて事業をおこなっていく、もっといえば地域の介護を守っていく者の責任だと。みんながルールを守ってやっているのだから当然の話だ。どうしてこのようなことが認められるのかというと、すべて行政処分をしていないからなのだが、行政処分をしないとした判断基準、根拠はなにか。

福祉部長 行政処分については、組織性であったり悪質性であったり、被害の大きさであったりを総合的に判断する。今まででも行政処分をした案件があるが、いない人をいるかのように装った報告であったり、計画であればつくっていないのにつくったような虚偽の報告をしたり、悪質な内容のものになるが、今回のことは、適切とはいえないが、そうした悪質性はなかったというところで行政指導という最終的判断をさせていただいている。

本池 部長が今述べたなかで、「いないものをいるとしたり」といったが、点検表においてはいないものをいるとしている。事実として。今、手元に監査後の平成26年3月に下関市が事業者に対して出した改善勧告がありますが、人員配置基準の違反だけでなく、「現況」の欄を見てもひどい内容が見受けられる。4人の部屋に5・6人いるとか。これは悪質とはいわないのか。

福祉部長 人員基準以外でお話された内容については、当然自己点検票と現地に行って確認をしたときに事業所のほうには適正な対応をするようにという指導を必ずする。合わせて文書で送って、それが改善されたかどうかの報告ももらうシステムで対応をしている。

本池 対応するのはいいが、こうした内容が悪質というものには当たらないのかと質問している。

福祉部長 例えば、職員の方が利用者に虐待的な行為をしていたということであれば当然、不適切な対応になろうかと思うが、部屋の利用されている方の人数であったりは、それをもって悪質とは判断していない。あくまでも現地に行って、それが利用者にとって不適切な内容であればそこは指導する。そういうところでご理解をいただきたい。

本池 行政処分をしていない場合、債券回収の規程はあるか?

福祉部長 規程と申しますか、厚生労働省のほうでマニュアルがあり、まずは事業所のほうが自主的に点検をおこない、適切な介護給付費の調整をするというマニュアルは示されている。

本池 今いわれたのは過誤調整をするときのことだ。行政処分をした場合は、「下関市債権管理条例施行規則」に則って回収をおこなっていくと思う。しかし、今回の場合「行政処分をしていない」ことによりこの条例施行規則の対象となる債券ではなく、回収に関して業者のいい分を認めざるをえなかったり、情報公開資料も黒塗りということになっている。こうなれば、なぜ行政処分をしないのかという説明責任が求められる。施設にいない人員を「いる」としていたことは先ほどからやりとりしているが、「悪質」「悪質でない」の判断基準はなにか。

福祉部長 ご説明が難しいが、当然適切な人員配置ではなかった。ただ、事業所のほうが主張する解釈にもとづいてというところは、本当に誤った解釈をしていたということで今回のような判断をしている。          

本池 続いて回収状況について質問する。まず、今年の予算議会で、回収が確実である未収金については収入として記載するべきだと指摘させていただいた。これは市の回収意志があるかどうかという重要な問題だ。その後どうなったのか。

福祉部長 昨年度お話をいただき、関係部署とも協議し、あらかじめ計画的に返していただく金額は見込まれるので、令和5年度予算には計上する方向で調整している。

本池 今後も毎月50万円づつ40年かけて回収していくつもりなのか。

福祉部長 先ほどから決算書の確認をさせていただいているということを説明したが、今回の事案については長い年月の回収作業になるので、相手方と公正証書を作成している。そのなかで、もし決算書を確認して経営状況が改善をして、今以上に返還が可能になった場合はその金額で返していただけるという趣旨の規定を設けているので、その場合は今よりも多い金額で返還してもらうようにさせていただくつもりだ。

本池 40年もたてば当然経営者も変わると思うが、返納中に業者が廃業・倒産したり、事業譲渡などをした場合はどうなるのか。

福祉部長 当然事業を廃止された場合については、原則、可能な限り債券回収ができるような交渉をする。事業譲渡された場合にはあたらしい事業所のほうに債券も引き継がれているか確認をして、最終的に判断をするときは、市の顧問弁護士とも相談して適切な債権回収の対処ができるようにしたいと考えている。

本池 令和3年度に発覚した介護報酬の過払い金は何件あるか。また、このうち、現段階で未収金となっており、今後返還を受けなければならない案件があれば教えてほしい。

福祉部長 明確になっているのは、ご指摘の事案とあわせて報告した案件になる。

本池 協議中のものも含めて教えていただきたい。

福祉部長 資料をもちあわせていない。(後に2件と回答あり)

本池 今後、同じように変換をうけなければならないケースが発覚したときに、同じように何十年にもわたる分割払いを認めていくのかどうかの確認をしたい。

福祉部長 単純に“はい、そうですか”と決めるものではないので、相手方の財政状況なども確認をしながら可能な限り短期間で返していただきという処理になる。顧問弁護士とも相談しながら適切な対応がはかれるようにしていきたい。

本池 基本的には認めないが、経営状況にもよるのだろう。ずっと確認してきたが、なにもはっきり答えられる部分がない。全部協議のなかでの、“感触”のような話になっている。他の事業者からみて、これはどうなのか、と思われるものになっている。この規定にもとづいてこうしたというきちんと説明できるものがいるのではないか。40年もの案件などは今まで一度もないということも前回答えていただいているが、これを認めてしまったことが、今後の介護事業に大きな影響を与えかねないと感じている。すでに事業者の不信は募っている。介護保険制度は被保険者の保険料や税金でなりたっている制度だ。(事業者にとって)財源が十分ではないことは承知しているが、だからといってルール違反をしても「返済は数十年かけて少しずつでいい」というような運用がされれば、介護保険制度そのものが崩れてしまうが、認識を聞かせてほしい。

福祉部長 そうしたご意見は理解できるが、今回の案件についてはもともと地域的に経営が難しいということもあり、新型コロナ感染症の影響を大きく受けたこともある。その辺を考えたときには、決して結果としていいことにはなっていないが、今の金額で、確実に返していただくということで対応したいと思っている。そういった面では、現場の事業所の方に、今お話されたような意見があったかと思うが、ただ、あとでそんな判断だったのかといわれるような判断はしていないので、ご理解はいただきたい。

本池 部長はそういうが、明確なものがないではないか。行政は、根拠規定があってやっているという信頼がある。それがないようになってしまって、なんとなく“これは悪質ではない”“悪質だ”という感触だけで判断していいのか。この質問を取り上げるにあたり、事業者から意見も、介護現場の実態もお聞きした。これまで「人員配置基準を満たしていなかったのは勘違いだ」とか、「地域の介護を守るためにつぶすわけにはいかない」という説明を半年間うけてきた。しかし多くの事業者がルールを守り、まじめに事業をしている。そうしなければ指定も取り消されてしまい、介護報酬も入らなくなる。結果として地域の介護を守ることができなくなるからだ。そうした多くの事業者に対し、胸を張って説明できないことはするべきではない。このことについて今後考えて対応していただきたい。

令和3年度予算に対する個人質問をおこないました。【動画】

16日に、令和3年度予算に対する個人質問をおこないました。

個人質問では、所属する委員会の所管部局以外について質問するように決まっています。今回私は、担い手育成支援事業を主とする農林水産振興費についてと、栽培漁業センターについて質問しました。

取り急ぎ、動画をアップさせていただきます。

 

1.農林水産業の担い手支援と産業振興について

 

2.栽培漁業センターの運営業務について

 

12月定例会での一般質問『1、公用車と公用タクシーの使用基準について』のご報告です。【文字おこし】

遅くなりましたが、12月11日の一般質問の文字起こし『1、公用車及び公用タクシーの使用基準について』(要約)を掲載します。長いですが読んでいただけますと幸いです。なお、『2、下関市の学校給食』につきましては、次のページで紹介いたします。傍聴していただいたみなさま、ありがとうございました。

1、『下関市の市長・副市長・教育長・正副議長の公用車と公用タクシーの使用基準について』 

本池 下関市では、市長・副市長・教育長・市議会正副議長に公用車が用意されているが、公用車やそれにかわる公用タクシー券の利用について、とくに正副議長分について疑問や不信の声が多くの市民の方々から出て住民監査請求があったことはご存じのとおりだ。ただ、疑問や不信を持たれる利用についてだが、そこには使用基準や取扱要領があり、それにもとづいて使用され公金が支出されている。市長・副市長分については今年四月に、正副議長分については七月一日にそれぞれ公用車とタクシーの取扱要領を定めたということなので、その内容等について質問する。また教育長分については、平成29年12月1日から公用車利用基準が定められているので、これについても質問する。

公用車、タクシーの取扱要領だが、公用車やタクシーの使用は即公金の支出につながるものであり、これは市長や議長等が公金を使うことができる範囲を定める極めて重要なものである。したがって、取扱要領は公金の支払いが無制限に広がらないよう、限定的で歯止めが効く規定でなければならない。市民から「おかしい」「公私混同だ」という不信感や疑問を少しでも持たれるような取扱要領であってはならない。しかし、この取扱要領を読んでみると、とくに正副議長分についてはいくらでも拡大解釈ができるような極めてあいまいな定めになっているように思う。これでは正副議長分の公用タクシー代に多くの市民が疑念を抱くのは当然だ。市長も議長も市民のお金を預かっている立場であって、市民からお金を預かっている立場の者が、自らお金を使うことは、その使い方について市民にいささかの疑念も持たれてはならない。市民にご理解いただけるよう質問に明確に答えていただきたい。

まず市長、副市長の公用車、タクシーチケットの取扱要領についてだが、公務会合のない飲み事はもちろんのこと、「公務会合後の二次会に出席した場合は使用不可」ということで間違いないか確認する。

竹内総合政策部長 間違いない。

本池 今後、市民から疑念を持たれることのないよう厳正な運用をお願いする。もう一点質問だが、この取扱要領のなかで、「ただし、公務の前後において、その遂行上もっとも効率的な場合は使用可」というのはどのような意味か。

竹内総合政策部長 公務である自治会の互例会と消防出初式の間に公務外用務に移動するような場合などを想定している。公用車で一連の移動をおこなった方がもっとも効率的であり、公務が遂行できるという判断の下で入れている。また、公務外の行事から公務への移動、公務終了後の公務外への移動についても、その時間を活用して常時市長との連絡・伝言等をおこなうこともあるので公用車を使用することもある。いずれにしても市長として公務を円滑にまっとうするため、使用行為の前後の状況、あるいは行く場所等を勘案したうえで総合的に公務遂行上必要と認められるかどうか、取扱基準に照らして判断したいと考えている。

本池 教育長分についても、公務場所への行き帰りで、公務後の飲み会や公務会合後の二次会後の帰りはだめということで理解してよいか?

徳王丸教育部長 最終の移動時間が19時をこえると見込まれる場合はタクシーを利用することとしており、次の移動まで公用車の待機時間が3時間をこえる場合もタクシーを使う。お尋ねの件は基本的にタクシーを使うことになっている。

本池 公務会合後の二次会後はだめということでいいか。

徳王丸教育部長 飲食を伴う会合があった場合に、それが公務であればタクシーでも可である。

本池 次に、議長、副議長の公用車、タクシー取扱要領【下写真参照】についてだ。先に述べたように、この取扱要領は公用車やタクシーの使用、すなわち公金の支出範囲が拡大しないよう、限定的に、また、使用に疑義が生じないよう明確に定めなければならないものだ。しかし、この取扱要領は規定が極めてあいまいで、従来通りいくらでも拡大解釈できるような規定になっているように思う。これでは多くの市民が疑念を抱くのは当然だ。市民の方から寄せられた疑問点を聞くので、その疑問に答え不信を払拭するよう、市民にわかりやすく明確に答えてほしい。

まず、この取扱要領を定めるにあたって、類似都市または県内他市の状況は調査されたのか。

竹内総合政策部長 市長部局としては承知していない。

本池 定めるにあたって、市長車の取扱要領がどのようなものか確認されているか。

竹内総合政策部長 議会事務局が要領を作成するにあたり、参考までに秘書課から市長・副市長公用車タクシーチケット交際費取扱要領を渡している。

 

本池 次に、「使用者について」の(1)―②にある「その他庶務課長が特に認めた者」についてだが、どのようなケースを考えているのか。

 

竹内総合政策部長 「普通地方公共団体の議会の議長は議場の秩序を維持し議事を整理し議会の事務を統理し議会を代表する」、このうち「議会の事務を統理し」という部分に当たるので、市長部局としては予算執行上、つまり正副議長が公務上公用車を使ったりタクシーを使ったりする予算措置はしているが、判断については議会事務局以外にできないと考えている。

本池 これはすでに5カ月間運用されているもので、これにもとづいて公金の支出がされている。公金の支出について執行部として答えられないのはおかしいのではないか。もう一度丁寧に説明をお願いする。

竹内総合政策部長 一定の範囲内での公金の支出については建前上は長の執行となっているが、議会事務局長に委任している。委任している範囲のなかでこの要領をきちんと判断したうえで、適正に判断しているということで、分離している出納室、会計管理者への支出命令という形になる。市長部局としては委任している範囲内できちんと対応していただいているものと考えており、その運用について了知するところではない。

本池 すでにタクシー代として公金が支払われているわけだが、市長部局として答えられないというのであれば、だれが答えるのが適正なのか。
 議会運営の内容などであれば答えられないことは理解できる。だがこれは公金の支出であって、市民に説明しなければならない事項だ。総合政策部長が答弁されているが、聞きとりのさいにも、「一般質問は議員が執行部に対しておこなうものであるから、だれが答えるかについては関与しない」と伝えている。市民に対してはこのたび給付や支援などがあったが、これはダメ、これはいいなど基準があり、市民は納得がいかなくても一定の基準でやられているから仕方がないと受け止めている。説明責任があるので、払われる、払われないの区別があると思う。タクシー代の議会の使用について、税金を支出しておきながら議場で説明できないのはおかしいのではないかと申し上げている。

竹内総合政策部長 教育長の部分は執行にあたる教育部長が答弁した通りだ。基本的に市民の方がお聞きするのであれば、議会事務局長だろうと考えている。

本池 一応、気になるところを聞いていくので答弁をお願いする。使用方法について、(1)―①の例にある、「その他議会活動上で必要とされる場合」とあるが、極めてあいまいで、歯止めが効かないような規定になっていると思うのでお聞きする。まず、これはどのようなケースが考えられるのか、あるいはどのようなケースを想定しているのか。

竹内総合政策部長 ちょっとお答えのしようがない。

本池 (1)―②「正副議長が正副議長と議員の立場を明確に区別できない場合において、市政の発展、公益の増進等に資するために使用する場合。ただし、疑義のあるものについては、事務局庶務課長が、判例等を参考に総合的に判断するものとする」となっているが、市政の発展、公益の増進等に資するか否かは誰が判断するのか。

竹内総合政策部長 要領に書いてある通り事務局庶務課長と考える。

本池 庶務課長が「資するか否か」を決める判断基準は何か?

竹内総合政策部長 ここにあるように判例あるいは市長部局、教育長等、あるいは市全体の部分を含めて、またその次に書いてある社会通念上相当と認められるという、そういった視点が必要だと考えている。

本池 但し書きの「判例等」とあるが、判例等とは具体的にどういうものが想定されるか?

竹内総合政策部長 行政実例などが想定される。

本池 総合的にというのは具体的に何と何とを総合的に判断するのか?

竹内総合政策部長 社会通念とか、公益の増進に資するレベル、距離など先ほど市長のときにお答えしたのと同じようなことかと思う。

本池 (1)―②例「各種団体との協議・意見交換を行う場合」とあるが、各種団体の定義はなにか?

竹内総合政策部長 議長・副議長がどのような団体と議会運営上お会いしているか存じ上げないのでお答えのしようがない。

本池 各種団体との意見交換と飲み会とはどのように違うのか。

竹内総合政策部長 広い意味では飲食を伴うような意見交換の場もあると考えている。

本池 公金を使う各種団体等との意見交換であれば、正式文書をもらうべきだと思うが、その点についていかがか。

竹内総合政策部長 あった方がいいと思うが必ず必要とも考えていない。

本池 これらのことを厳密に決めておかないと、形ばかりで骨抜きの基準になってしまう。市民の多くが何らかの団体・組織に所属しておられ、厳密に決めておかないと、正副議長はすべての「飲みごと」に公用車や公用タクシーを使うことができるということになってしまう。

本池 さらにお聞きするが、「私用の飲み事か」「私用でないか」を区別する判断基準はなにか。公金を使っていいか否かを決める線引き、いわゆる判断基準は明確に定めるべきだと思う

竹内総合政策部長 お答えのしようがない。

本池 具体例で質問したい。まず、17時15分ごろに市役所での公務が終わり、その後、公的な会合があって、その後、二次会に行って帰宅する場合、公用タクシー券は使えるか?

竹内総合政策部長 市長・副市長の場合は使えない。

本池 17時15分まで公務があって、その後公的な会合はないのに、飲みに行って、夜の10時、11時に帰宅する(実例)。その場合も公用タクシー券を使って帰宅してもいいのか?

竹内総合政策部長 あまりに内容に具体性がないのでお答えのしようがない。

本池 今聞いてきた使用基準は、取扱要領を定める前の使用基準と同じか、それとも異なるのか。

竹内総合政策部長 議会事務局がどのような形でつくったのか、その前の基準も了知していないので、変更点等お答えする立場にはない。

本池 タクシーチケットは、正副議長の申し出によって渡しているのか。もしくはあらかじめ渡しているのか。そのときの飲み事の内容を聞いてから渡すのか。

竹内総合政策部長 総合政策部長としてはお答えのしようがないというお答えになると思う。

前田市長 (質問を遮る)あまりにも話が遠すぎませんか。やっぱりたくさんの議員と執行部のみんないるなかでですね…。

本池 今から市長にもお尋ねするので。公金支出について、みなさん気にしておられるのは、これは7月につくられ、曖昧な基準で公金支出がされてきているものだからだ。今まったくお答えいただいていないが、見てわかるように取扱要領を定めても、いくらでも拡大解釈可能な曖昧な規定になっている。これでは今まで指摘されてきたように正副議長が飲み会帰りに自由に、公用車あるいは公用タクシーで帰っていいという基準になっているとしか思えない。コロナ禍で市民生活は大変な状況にあり、そのなかで一生懸命税金を納めておられる。それなのに正副議長は飲み会帰りに1回で1万円近くかかるタクシー代を自由に使ってよいというのであれば市民は納得できない。

今(前田市長が)ふさわしくないといわれたが、市議会は市の公金支出が適法・適正であるかをチェックするのが本来の役割だ。(前田市長「それは違うといっているわけじゃない」といったやじを飛ばす)。その市議会の正副議長がこのような取扱要領のもとに、市民のお金を飲み会帰りのタクシー代に使うことは大きな問題だ。

「市政の発展、公益の増進等に資するために使用する」場合はいいというが、市政発展のための意見交換会をおこなおうというのであれば日中におこなうべきだ。議会・議会事務局では、連日のように夜の10時、11時、12時に豊前田や唐戸などの飲食店で話していることがどのように市政の発展に寄与すると考えているのだろうか。仮にそうだとして、それでまじめな市政運営ができるだろうか。本当にそう考えているとすれば、それに公金が使われるのなら下関市民にとっては悲劇であるし、このような基準は他市から笑われるのではないかと心配している。

最後に市長にお聞きする。今明らかになったような曖昧な基準で、公用車や公用車にかわる公用タクシー代が公費で支払われることについて、どう思われるか。「このような曖昧な基準では使ったタクシー代を公金で支払うことはだめですよ」というべきではないか。

前田市長 市民が本当に苦労して働いて納められた血税の尊さと重さについては本池さんのいわれる通りだ。1円たりとも無駄であってはいけない。有効に町に還元されなければいけない。市政発展のために使われるのは当然のことだ。ただ私が途中で声を入れたのは、あなたの気持ちはよくわかるが、それは議会内でやっていただかなくてはいけない。わかっててあえて聞いてますよね。だからそれはおかしいんじゃないかって私はいっている。あなたのその言葉の使い方、頭の回転、わからないはずはない。わかってわざとやってるから、ここでやるべきことではないんじゃないですかといっている。
 動かしたいけど動かせない大きな岩を動かしたい、もがいているのはよくわかる。だけどそれは動かせないことないと思う。でもここでやることじゃない。ルールを逸脱してるから、みんながそこに乗ってくれないのではないか。やり方が違うのではないかと僕は思うが。いってることは間違ってないと思う。その正義感は非常に大切なことだと思う。

本池 質問に答えていただきたい。「このような曖昧な基準で使ったタクシー代を公金で支払うことはできませんよ」というべきだと思うが、そこについてどうかと今お聞きした。

前田市長 議会側が定めた要領に沿ってこちら側が公金を支出するというルールでやっている。議会側のルールについては議会側のみなさん、庶務課長、議会事務局長、議員のみなさんで決めていただくしかないのではないか。それが間違っている、市民に向けて正しいものでないというのであれば直していただかなくてはいけない。そうでないとわれわれも執行する責任が問われるだろうと思っている。

本池 市長もいわれたように支払いの最終責任者は市長だ。私がここでわざとやっているとおっしゃるが、公金の支出について議会は聞くことができるのだから、それをやっているだけの話だ。支払いの最終責任者である市長として、この問題は曖昧にしてはいけない問題だと思うし、間違っていたら正すのは当然のことだ。それに対する答弁が、議会のことは議会で決めるとおっしゃった。公金支出でない部分ならそれでいいが、公金支出については市長をトップにする執行部がおかしいといわなければならないので、そこはぜひ正していただきたい。

本池 市長は前回の一般質問のときに、この問題について「市民のみなさんに胸を張って説明ができる公金支出、タクシーチケットの利用の内容についてきちんとした基準をつくっていこうということで、私もやったし議会にも求めた」と回答された。それでできた取扱要領がこのような内容で、市民に対して胸を張って説明できる公金支出の基準といえるだろうか。これから運用されるのであれば正せばいいが、すでに運用され公金が支出されている。だから問題にしている。胸を張って適正にやっているといえるかどうか。

前田市長 今まで「これくらいでいいかな」というのでやってきた経緯があるから、今回新しくつくられたこと(基準)も許されないのではないかなといってるわけですよね。でも、そもそも考えてほしいが、公用車を使う立場にあるのはものすごく使いづらい。はっきりいって。私なんかは人間らしい生活はできない。ほんと。朝迎えに来てもらって、ありがたいが、仕事をして、行きたいところにも行けず、行きたいところがあっても、それが2つ続くとだめだ。1個でも次の用事に向かって逆方向とか、それが公務とあまりにも乖離されている。この解釈はルールでは決められない。任意というか良識のもとに政治家として、行政側のコンプライアンスのなかでジャッジしていくしかない。
あなたの場合、性悪説に立ってしまっている。このルールのなかでは絶対悪いことをするだろうと。良識の感覚から必ずはみ出してやってしまうだろうと思ってしまうから、そういうふうにいわれるが、きちんとした感覚でもうやってますから。もう悪いことしませんから。議長もそうだ。これからずっとそうだ。ほんとにマジで。聞いて信じてほしいなって思う(この後、シーモールでの公務後、私用があり自費で移動した話を延々と展開)。これじゃだめですか?

本池 市長がそうされているのはわかる。市長の基準を見る限り「公務以外に使わない」となっている。(議長・副議長のタクシー利用について)これまで住民監査請求の件から質問してきたが、市民の声がなければ、この問題も浮上してこなかった。正さなければいけないことはわかっておられ、基準をつくった。しかし、できた基準がこの内容ではだめではないか、という話を申し上げている。市長の基準、教育長の基準と照らし合わせてどうか。さらに議場で説明できないから、それが市民に伝わらない。きちんと答えていただければ市民にも信用されると思う。

最近、新型コロナの影響で飲食のチェーン店の閉店が連続している。市内のホテルが閉じたことも話題になっているが、市内のあちこちで自分の力ではどうしようもないコロナという事態で、職を失ったり、給料が削減されたりしている方たちが無数におられる。そしてそのような人たちも含めて市民のみなさんが、一生懸命税金を納めておられる。滞納することが許されないから。もしも払えなければ支援も受けられなくなるからだ。課税・納税関係の職員さんも本当に心苦しいと思うが、そうして集めた税金がこのような基準のもとで使われていると知ったら市民はどう思うだろうか。市民に対してこの取扱要領を見せることができるだろうか。

私たち議員全員、市民の代表だ。この議会に所属する議員として、このように、解釈によっては使いたい放題でこれまでと何ら変わらない取扱要領をつくってよしとするのであれば、公金の支出責任を負う市長としての責任が問われるのは必至だ。先ほどもいったが、間違っていたことはきちんと正して、それこそ市民に胸を張って説明できるような取扱要領のもとで公金支出をおこなっていただくよう申し上げる。