3月議会が終わりましたので、ご報告します。

昨日23日、令和2年第一回定例会が終わりました。

3月の議会は「予算議会」といわれ、4月からの1年間の予算についてが話し合われます。議員は、執行部の出すどのような事業にどれほどの予算が付けられるのか、事業内容は市民にとって必要なものなのか、必要なところにきちんと予算が付いているのかなど、話し合い、意見を述べることが主な内容になります。代表質問、委員会審議を経て、採決をとるのですが、すべての議案が可決となりました。

今月3日、新型コロナウイルスの感染が下関市内でも確認され、一斉休校やイベント自粛などとかかわった深刻な影響が出るなかでの議会となりました。予算の審議の過程でもコロナ対応なども含めた質疑が多くかわされ、執行部も対応しておられますが、まだまだ市民のみなさんが置かれている実情には手が届いているとはいえない状況があります。引き続き実態を届けたいと思いますので、声をお寄せください。

私は、今年度の一般会計予算に反対し討論をおこないました。理由は、昨年の9月議会の一般質問とりあげたものと関係するのですが、来年度予算のなかの下関市立大学の運営費交付金のなかに、前田市長が推薦した特定の教授を採用するために約2000万円の予算を投入することが含まれているからです。

「お金がない」。市民のみなさんが市役所に行けば、必ずといっていいほどその言葉を聞くと思います。市の財政が厳しいのは事実で、毎年のように基金(貯金)を取り崩しているのが実態です。多くの市民には我慢をさせている一方で、特定の人物のためにお金をつぎこむことは間違っていると思います。仮にどうしても必要な事業であれば、関係者での論議を尽くさなければならず、公の大学でそのような恣意的な人事がなされることはあってはならないというものです。以下、内容を紹介いたします。

反対討論の要旨

議案第10号令和二年度一般会計予算に反対討論をおこないます。

来年度予算のなかには、公立大学法人運営業務2億4,423万4000円のうち、公立大学運営費交付金のインクルーシブ教育推進のための交付金2,185万円が含まれています。来年度予算の新規事業として計上されているこの予算は、専攻科設置にかかるもので支出と収入の差額が計上されています。

まず収入ですが、特別の過程の受講料として675万円、令和3年度からの専攻科設置のための受験料に相当する検定料と入学金で74万9000円、合計749万9000円を見込んでいます。次に支出ですが、教員3名と事務職員1名分の人件費として2,780万円、研究費144万円、消耗費10万円、合計2934万9000円となっており、先ほども述べたとおり予算に計上されている2,185万円はこの収入と支出の差額分となります。

つまり、昨年から問題になってきましたが、前田市長の推薦する特定の方およびそのグループを下関市立大学に採用するための予算だといっていいと思います。下関市立大学の一連の騒動は昨年5月30日に前田市長が市長応接室で山村理事長に研究者を紹介したところから始まっています。実際に市立大学では市長の意向を受けて中期計画にもなかったこの計画が動き始め、大学自治を逸脱した特定の人物の採用ありきの専攻科設置に学内での反発が広がり、9割の教員が反対する事態まで招きましたが採用を内定し、さらに九月議会には、大学運営の根幹にかかわる重要事項、たとえば教員の採用であったり、学部・学科の設置であったりですが、これらを現場の意見を聞くことなしに理事会で決めていく定款変更議案をこの市議会が可決しました。

全国的ニュースにもなり、大学のガバナンス上ありえないことだと驚きをもって受け止められるなか、1月にはその方が理事長の任命により市大の理事に就任し、さらに先日3月16日には現事務局長とともに副学長に内定したことが発表されました。また、4月1日以降に教授として採用されようとしています。

9月議会では何人もの議員が反対討論をおこないましたし、全国的に見ても考えられないようなことが「改革」の名を借りて進行しており、これについて問題視する声が大学内外から高まっています。それらについて「将来を見越して学長のリーダーシップのもとで生き残れる大学にするのだ」とか、「これに反対するものは抵抗勢力だ」「改革を恐れている人たちのいうことだ」といった意見が出ているようですが、これまでの手続きそのものがルールを逸脱しており、ならばルールすなわち定款を変更してしまえというやり方だったにすぎません。学内の合意形成も図られないなかで決められていったのは誰がどう見ても事実なのです。

ある市民の方が「市大は前田晋太郎大学なのか?」と私に問うてこられました。本来ならば「いいえ、下関市立大学です」と応えなければならないのですが、市長が「この人」と見初めた人物を理事長にお願いしたら採用されるというのであれば、それは大学としてのガバナンスを逸脱しており、私物化という指摘を払拭することはできません。そして、その度に市財政から何千万円という人件費その他を運営交付金として注ぐというのでしょうか。市民の皆様から、市長が気に入った人物が公金によって養われるのか? と言われた際、私たち市議会議員はなんと答えればよいのでしょうか。この議場におられる先輩議員の皆様にもお聞きしたいところです。

インクルーシブ教育の推進についてはなにも否定するものではありません。重要なことであれば教育現場の実状に即して推進するべきでしょう。ただ、それを特定の人物の採用ありきで、あまりにも乱暴なやり方で進めていることに大きな違和感を感じているところです。本当にインクルーシブ教育を充実したものにしたいのであれば、教育現場の先生方や、専門家、受け入れる市立大学の関係者などで論議を尽くしたうえで、下関にとって必要なものをとり入れるという形でなければ、市民の皆様の理解を得ることもできないのではないでしょうか。

2月27日、市立大学の名誉教授7人が連名で専攻科設置と定款の変更に対して疑問を抱き、意見書を前田市長と山村理事長に対して提出されました。2名の学長経験者も含みます。この方々も「やむにやまれぬ思い」だといわれていました。はじめから特定の人物の採用ありきだったことが今回の騒動の根源であり、そのような人事に対して市民の税金である運営費交付金を投入することについて、認めるわけにはいきません。

来年度予算のなかには市民にとって非常に重要なこともたくさん含まれています。しかしながら議案は一つですので、この内容を含んだ議案に賛成することはできません。下関市議会として、市民の皆様に対して説明がつくような懸命な判断を加えることを訴えて反対討論を終えます。

下関市立大学の定款変更についての反対討論をおこないました。

一般質問で触れた下関市立大学の専攻科設置問題に関連しておこなわれる同大学の定款変更について、9月26日の本会議で反対討論をおこないました。同議案については、会派の違いをこえて私を含めた4議員が執行部を追及する側から一般質問をおこない、採決では3人が反対討論(賛成討論は亀田議員1人)をおこなうなど波紋を呼びましたが、賛成25、反対7、棄権1で可決されました。多くの疑問について説明がなされていませんし、とても市民の納得が得られるとは思えません。ページの最後に採決の結果を掲載しています。

以下、私の討論内容をお伝えします。

■反対討論

議案第202号「公立大学法人下関市立大学定款の変更について」に、反対の立場から討論をおこないます。

この間の一般質問でも定款変更の問題点について幾人もの方が指摘されてきました。

定款の変更内容は大きく4つあり、理事会の設置、副学長の新設と理事の枠の拡大、理事会と経営審議会・教育研究審議会の役割分担、教育研究審議会の委員数の見直しとなっています。少子高齢化のなかで今後激化する大学間競争にうちかつためには必要だといわれていますが、それは建前であり、要するに、現場の意見を聞くことなしに大学運営の根幹にかかわる重要な事項、たとえば今回のような教員の採用であったり、学部、学科の設置であったりですが、これらを理事会ですべて決めていけるようにする定款変更議案にほかならないと私は考えます。

なぜ、このような定款変更議案がこのタイミングで出てきたのか、下関市議会議員としてこの議場におられる皆様には是非考えていただきたい。そして、既存の定款からどの部分が削除され、あるいは追加され、そのことによって何が可能になっていくのか、何が不可能になっていくのかを精査する必要があると思います。

今回の定款変更を一言で言えば、市長の任命する理事長やその理事長の任命する理事によって構成された理事会の意向で、大学を好きなように運営できる仕組みに変えるものです。それこそ今議会で何人もの議員の皆さんが一般質問でとりあげ、現在の市立大学の定款から見て明らかに進め方がおかしいと指摘した根幹部分、教育研究審議会すなわち現場の教員の意向や判断をまったく抜き去ったまま、専攻科設置や教員採用を可能にするための定款変更であり、これは「大学改革」の名を借りた大学の変質を促進するものであると言わなければならないものです。

スピーディーな「大学改革」ではなく、スピーディーな変質をこの下関市議会がスピーディーに承認してよいのか、熟考が必要であると考えます。何でも「改革」といえば良いとか、早ければよいというものではありません。むしろ、なぜそんなに大慌てで急いでいるのか? それこそ専攻科設置をなにがなんでも押し通したいという意図が貫かれているようにしか見えません。自分たちのやり方が定款に触れるなら、定款を変えてしまえばよいというやり方であり、なぜ定款に触れないように正規の手続きに基づいて進めないのか。あまりにも力業(ちからわざ)がすぎるように思います。

今議会では、こうした大学のガバナンス上異常ともいわれる事態が起きている点で全国的にも大変注目されています。下関市立大学は、市長が見初めた人物を雇う大学であり、その教員採用の判断基準は現場の教員たちの意見は反映されず、市長が気に入るか気に入らないかが判断基準でよいのだと、そのように全国にも他に例がない異常な大学として世間から認識されることになりかねません。

各新聞でも大いにとりあげられ、この定款変更議案について議会がどのように判断するのか、市民の皆様もたいへん注目されておられます。全国の大学関係者の注目度も高いようです。首相お膝元の大学はさすが、やることが違うなと、「市長案件」で教員採用まで決まるのだと別の意味で記録や記憶に残すというのでしょうか。

この場におられる議員のみなさんには、是非とも懸命な御判断をお願いしたい。結果如何によっては「さすが首相お膝元の下関・下関市議会はやることが違うな」の意味合いも、別のものに変わるように思います。

9月議会の一般質問について報告します。

遅くなりましたが、9月議会の一般質問の文字起こしをアップさせていただきます。

1、下関市立大学の専攻科設置構想について 

本池 下関市立大学への専攻科の設置について質問する。9月11日付の毎日新聞で報道され、既にご存じの方も多いかと思うが、「日本の大学のシステムとして想定されていないこと」がこの下関の街で、下関市長や元副市長たちがかかわった下関市立大学で起こっているという事実に衝撃を受けている。

その記事の見出しには「教研審経ずに計画進行」「理事長(元副市長の山村氏) 市長の要望受け担当教員採用」「教員9割が撤回求める」とあり、「ガバナンス上大いに問題」として、大学のガバナンス(統治)に詳しい明治学院大の石原教授の話として、「学内にこれまでなかった組織をつくるときには、従来いる専門家(教員)の意見を聞きながら進めるのが当然だ。そもそも、事前に教育研究審議会で承認を得ない限り、教育研究の中身に関わる人事やカリキュラムを決めることはできない。日本の大学のシステムとして想定されていないことを市長と理事長が決めているということは、大学のガバナンス上、大いに問題がある」との意見が紹介されていた。

何度も申し上げるが、「日本の大学のシステムとして想定されていないこと」が下関市立大学では起こっているというのだ。

まず、事実関係について前田市長に質問する。この記事で書かれていることはすべて事実か。5月30日に市長応接室で山村理事長、元副市長ですね、らに対し「(研究者と)ぜひ会ってほしい。下関の何か役に立ってくれる人になりそうだ」と話していた、つまり市長が直接大学トップに特定の研究者の招聘(へい)を要請していたというのは事実か。

前田市長 毎日新聞は私も読んだし、毎日新聞から独自で取材をいただいて、しゃべれることはしゃべり、だいたいその通りに書いているなという感じだ。

本池 市長はどのような指示をされたのか?

 前田市長 私は政策決定をしていく過程でいろんな部署と協議する。いつもと同じ、普段の仕事の延長線上であったと思う。すべての政策がそうだが、こういうことをやりたい、こういう話をとり入れたいなど、議員もやられていることをしただけだ。これを確実に押し込めなど、そんなことはこの2年半(当選後)に1回もしたことはない。私がアイディアやつなぎたいものを持って来て、みんなでやってみないかと、部長や課長と話をしてコンセンサスをとり、下関でやれそうだと思ったときに政策が決まっていく。予算はどうだとか、5年かけてやるか、この量なら2年でできるからやってしまおうとか、いろいろスキームを組んでいく。そういう流れでやっている。私が指示したのは、私が非常にIN―CHILD(インチャイルド)、インクルーシブ教育を専門的に非常に熱意のある方をご紹介いただき、この方はすごくいいなと思ったので、市大の理事長に「会って話をしてみませんか」といっただけだ。

本池 この専攻科設置について、大学では「前田市長の意向である」と伝えられており、しかも事前に専攻科設置についての議論など何もなかったところに、いきなりトップダウンで持ち込まれたことから混乱が広がっているようだ。そこでは琉球大学のH教授の研究チーム3人を招聘する、つまり特定の人物の採用ありきで物事が進んでいることへの疑問があるようだ。経済の単科大学に、教育学部の専攻科を設置するというのだから、「いったいなにが動いているのだろうか?」と思われるのも無理はない。

大学において、H教授の研究チームを招聘する理由として「市民から高等教育機関でリカレント教育としてのIN―CHILD手法の講座開設希望が強く、下関市からの要請、市議会からの開設要望があること」との説明がされているが、誰がいつ要望したのかを一つずつ確認したい。

前田市長が理事長に直接要請したほかに、市民からの開設希望が強いことや、市議会からの要望とある。まず、市民からの開設希望というのは、誰がいつ、誰に対して希望したのか。まずこの件で市民からの要望があったのかお答えいただけたらと思う。

今井総務部長 市としてはとくに要望はいただいていない。

本池 聞きとりでも通告していたが、大学には確認されていないのか。

今井総務部長 大学の方でははっきりと団体とか市民などから要望をいただいているということはないと思っている。個人的に市民の方からの要望があったのかもしれないが、確認できていない。

本池 大学内でH教授のチームを招聘する理由として市民からの要望をあげているが、そのような事実は市としても承知していないし、大学でも個人的にかもしれないが、市民の要望というのはどう思われるか。

今井総務部長 大学でのことなので私の方から明確にいうことはできないが、市が市民の方から直接要望をいただいたというのは、これは確実にない。大学の方ははっきりわからない。

本池 議会からの要望も招聘理由の一つにあげられている。下関市議会がいつどのような形で要望したと市立大学はいっているのか、事実確認したい。市議会が決議なり要望を市立大学に対しておこなった事実はあるのか。

今井総務部長 これも市立大学でのことなので、はっきりと私から申すことはではないが、6月の定例市議会における一般質問(6月11日の安倍派・井川典子市議の一般質問)でインクルーシブ教育に関する質問もあり、大学でのとりくみを期待する旨の発言等もあったが、下関市立大学に問い合わせしたところ市議会から要請があったという事実は確認できなかった。

本池 市立大学の執行部は大学内で嘘の説明をしたということになるが、そういうことか。

今井総務部長 市としてはどういうことをいっているのか確認できていないので、ここで明確に嘘であるとかどうこう発言することはできない。

本池 市議会からの要望といえるかどうか疑問だ。前田市長は、なぜ下関市立大学に必要であると判断されたのだろうか? また、H教授と市長はどのような面識を持たれておられるのかうかがう。あと部長なり、教育長なりのなかで面識がある方がいらっしゃれば、どなたが面識があるのか答弁していただきたい。また、役所のいずれかの部局で今回の市立大学の専攻科設置について検討なりされてかかわっていた部局があれば、いつからどのようなとりくみをされているのかお答えいただきたい。

今井総務部長 市長の公約にも総合大学化がある。しかしこれはすぐに実現するのは大変難しいものだ。学部にこだわらず、新たな学問分野に挑戦することは可能であるので、市立大学の経済学部の組織や教員の方などはそのままで、新たなる分野に挑戦するということだ。インクルーシブ教育のとりくみは、総合大学化を実現する第一歩になると考えている。

この専攻科は現役の教員や大学を卒業した教員免許状を取得している者を対象にしたものである。これらは資格取得も視野に入れた社会人が求める教育の提供がこれからは求められていると考え、昨今のインクルーシブ教育の必要性に鑑みてとりくみを始めたところである。これについては各部局が連携して検討したわけではなく、総務部のなかで検討して市として判断をしたところだ。

総合大学化については、本格的に中長期的な方向を視野に入れた検討は総務部だけでなく教育委員会や産業振興部や各部局の職員も入れてワーキンググループをつくり、今、検討しているところだ。

本池 専攻科の設置については総務部といわれたが、いつからどのようなとりくみをされていたのかもう一度お聞きする。

今井総務部長 大学におけるインクルーシブ教育のとりくみについては令和元年6月4日に文書にて当該のとりくみの推進を大学の方に指示している。内容は2項目だが、一番目は学校教育法第91条に規定する専攻科の設置、それから公開講座をはじめとするリカレント教育の充実など、インクルーシブ教育に関する修学の場の提供ということである。二つ目は専門家による教職員への指導、助言、相談センターの設置など包括的な支援を必要とする市立大学の学生への専門的な対応を指示している。下関市立大学においては本市からの要請にもとづき、リカレント教育センターの設置、特別専攻科の設置などを検討したと聞いている。

専攻科の必要性についてだが、インクルーシブ教育については文部科学省が平成24年に方向性をうち出し、障害のある子の就学手続きは、それまで特別支援学校に進むのが原則だったが、本人や保護者の意見を尊重しつつ、一般の小・中学校と合わせて総合的に判断することとなっている。このような教育上の対応は、平成28年4月に施行された、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律とも相まって、義務教育段階から高等学校、大学と、高等教育でも迫られており、一般社会においてもヒューマンマネジメントの方向が求められていると想定されている。以上のようなインクルーシブ教育の考え方や今後の需要を考え、人材を育成する高等教育機関においてもインクルーシブ教育へのとりくみを推進することが必要であると市として判断したため、大学にそのとりくみを指示している。

本池 H教授と前田市長はどのような面識を持たれているのか。

前田市長 2年ほど前の秋頃だったと思うが、発達障害に関心のある一般市民の女性の方から、非常に力を入れておられる先生がいらっしゃるのだが、話を聞いてもらえないかといわれ、お会いしたのが初めてだった。そのときに非常に情熱的で、発達障害に力を入れておられる方で、これがH教授だが、提案されているIN―CHILDというプロジェクトに私も関心が生まれ、最初は市内の小学校、中学校一校ずつで平成30年度に試験的におこなうきっかけだったと思う。

本池 その後何度くらいお会いになったのか。

前田市長 これまで2度、3度くらいお会いしていると思う。

本池 2、3回で必要な人材だと判断されたということですね。インクルーシブ教育そのものはなにも否定するものではないし、教育現場の評価や実際にかかわっている方方の判断に委ね、良いものであれば積極的にとり入れるのも選択だと思う。問題は、そのような教育について、下関では教育現場からの要請や必要性からというよりは、行政や政治の側が前のめりになり過ぎているように見えて、これはいったいなにが動いているのだろうか? と疑問に思うわけだ。そのことは、この専攻科設置の進め方にも如実にあらわれているように思えてならない。一言でいえば強引であり、それこそ大学のガバナンス上おおいに問題であると見なされる事態を招いてしまっている。

そもそもこのような専攻科の設置は下関市立大学の「第三期中期計画」にも存在していなかったものだ。5月30日に市長応接室で山村理事長、元副市長ですね、に市長が要請し、6月19日の市立大学における経営企画会議で突如出てきた話であり、その後の26日の経営審議会で開設方針を決めるという急なものだった。一般的に大学で学部、学科その他の重要な組織の設置又は廃止に関する事項は、その大学の将来を見据えながら学内での論議を重ね、現在の大学の力量や学問分野の連関などを踏まえたうえで、本当に必要とされる学科を設置するべく、大学全体で築き上げていくものだと専門家の方からうかがった。今回のやり方は、非常に思いつきのような形でトップダウンで事が動いており、まず第一に教職員の理解や合意がまるでないのが特徴だ。

下関市立大学の定款によると、こうした専攻科を設置する場合、教育研究審議会の意見を聞き、経営審議会で設置方針について審議するとなっている。教育研究審議会には現場の教授たちも多く含まれ、定款第23条の審議事項として「教育研究審議会は、次に掲げる事項を審議する」とあり、そのなかには「重要な規定の制定及び改廃に関する事項のうち、教育研究に関する事項」「教育課程の編成に係る方針に関する事項」「その他市立大学の教育研究に関する重要事項」と明記している。既に内定通知まで出されているというが、現在、この専攻科の設置手続きとしてはどこまで進んでいるのか。定款に基づいて進んでいるのか、定款に反した状態であるのか認識をお聞きする。

今井総務部長 下関市立大学に確認したところ、現在、令和3年4月の設置を目指して検討を進めているということだった。進捗状況については適時市議会の方に報告をさせていただこうと思っている。また、定款に違反はしていないと考えている。

本池 先ほどのべた定款には違反していないということか。

今井総務部長 定款に違反していないと考えている。

本池 専攻科の開設方針を決めた経営審議会の委員は、理事長、副理事長、理事長が指名する理事、法人の役員又は職員以外の者で大学に関し広くかつ高い見識を有する者のうちから、理事長が任命する者、と規定されている。任命権者は理事長だ。この経営審議会の委員のなかに、「一般財団法人H研究財団」(H教授の名前がついた財団)の理事をされていた方がいらっしゃることを認識しておられるだろうか。そして、その方が26日の経営審議会では非常に推進する側から意見をのべられたと耳にしているが、事実だろうか。

今井総務部長 多分その方は、今年の4月1日に経営審議会の委員に就任されたと認識している。確かにH財団の理事をされていたということは私も聞いているが、すでに4月1日付でH財団の理事を辞任したと聞いている。

本池 認識しておられたということですね。私も気になったので、法務局に行って「一般財団法人H研究財団」の履歴事項全部証明書をとってみた。先ほどのべた下関市立大学の経営審議会の委員をされている方、H教授の研究チーム3人を招聘すべきと積極的に発言なされたと聞いている方が、昨年10月1日に成立したこの一般財団法人H研究財団の理事として名前を連ねておられ、「平成31年3月1日に辞任」との登記が今年6月28日付でなされている。経営審議会が開かれた6月26日の2日後に登記を急いで書き換えたのだろうか。

ついでに申し上げると、この一般財団法人H研究財団に、この市議会のなかでもかかわっている方がおられる。6月議会で井川典子議員が熱心にIN―CHILDについて説いておられたのが不思議だったのだが、設立から理事をつとめておられ、「平成31年2月23日辞任」との登記が3月25日付でなされている。さらに、亀田博議員が評議員として名前を連ねておられる。市長も在籍しておられた会派のみなさんは、勢揃いでいったいなにをされておられるのだろうか。このH研究財団の主たる事務所が置かれているのは、先ほどものべた市立大学の経営審議会の委員をされている方のご親族が事業をされている場所だ。

そこで質問だが、H研究財団の理事をなさっていた方は山村理事長の任命によるものなのか確認する。

今井総務部長 理事長が任命するということだから、そのとき理事長であった山村理事長が任命したということだと思う。

本池 山村理事長が「大学に関し広くかつ高い見識を有するもの」と判断した根拠はどのようなものだったのか。

今井総務部長 大学の方にそのことについて聞きとりをさせていただいた。議員さんのいわれた方については、平成31年4月1日付で理事長から経営審議会の外部委員として任命を受けておられる。選任した理由を確認したところ、本市で企業主導型保育所を起業し、成功させているため、経営感覚にすぐれている人物であると考えたこと、男女共同参画の観点から女性の委員であることの二点から委員への就任をお願いすることになったと聞いた。

本池 専攻科設置すなわち研究チーム3人の招聘とそれにともなう市の財政負担は数千万円を想定しているといわれている。仮に設置したとして専攻科に進もうとすると、学費は大学院生の半額である27万円であり、計画通りに10人が確保できたとして収入は270万円にとどまる。それに対して教員3名、つまりH教授と門下生を含む3人の人件費、事務職員を雇う経費などの負担はみな運営費交付金の増額でまかなうといわれている。つまり、市長が「この人だ!」と思った特定の教授なり研究者を市民の税金を投じて雇うということになる。個人的な利益誘導ではないか、私物化ではないかという指摘もあるわけだが、市長はいかがお考えだろうか。

前田市長 市立大学のためにきっとなるものだと信じている。

本池 今議会には議案第202号として、下関市立大学の定款変更議案が出されている。この議案は理事会で今回のような専攻科の設置などを決められるよう、問題になっている教育研究審議会や経営審議会の役割として明記している「大学、学部、学科その他の重要な組織の設置又は廃止に関する事項」を審議するという文言をみな削除し、好きなようにできる仕組みづくりであろうと私は認識している。ダメなら定款変更してでもやってしまおうというやり方だ。チェック機能を果たすべき市議会がこのような「大学改革」の名を借りた大学の変質を開けて通すのか、その判断が問われている。

何度もいうように、インクルーシブ教育そのものの是非についてここで訴えているのではない。必要なものであれば教育関係者なり、それこそ大学の9割の教員が撤回を求めるという事態を招くのではなく、みなの理解を得たもとで推進するべきだと思う。そうしなければうまくいくものもうまくいかず、無理を押して道理が引っ込むだけのように思う。今回の専攻科設置のやり方はあまりにも強引であり、市長が気に入った方を次から次へと雇う大学になるというのであれば、それは利権の具にしているという批判を免れることはできない。江島元市長は市長退任後、加計学園の系統である倉敷芸術科学大学に雇われていたと聞く。私学ならまだしも、公立である下関市立大学でそのような真似事が始まってよいのだろうか。

琉球大学教育学部特別支援教育専攻科は、定員割れを理由にして平成30年度をもって廃止されている。そして、今年度より教育学部特別支援教育特別課程に再編されている。琉球大学で廃止された機関を下関市立大学に受け入れ、そのために大急ぎで今年に入ってなにかが動き始めた。私にはそのような印象にしか見えない。

先ほどの答弁から明らかになったように、市民からの要請、議会からの要請の実態は極めて曖昧であり、市長の要請、ないしは直接のH研究財団の関係者でもあろう一部の市議会議員、経営審議会委員の要請等によって事が動いているようにしか見えない。これは利益相反が疑われても仕方がないものだ。

市民の皆様から見て、公正公平であるかどうかを疑われるような事態を招いており、市民の皆様の理解、そして大学関係者の理解を得られないのであれば、この話は振り出しに戻すべきであると訴えて、この質問を終わる。

 

2、公共施設マネジメントについて

本池 公共施設マネジメントについて質問する。国の進めるインフラ長寿命化計画の地方版とされている「公共施設等総合管理計画」だが、下関市では2016年2月につくられ、この具体的な進め方を示した「公共施設の適正配置に関する方向性」がパブリックコメントや市民アンケートを経て2018年12月に策定された。このなかでは下関市が持っている公共施設のすべてについて、残すもの、集約化、複合化、廃止するなどの方向性を打ち出している。前回64カ所の公衆トイレの廃止について質問したが、市民活動の拠点となっているいくつかの場所で廃止や集約化の計画が動き始め、各地で市民の批判が噴出する事態になっている。市財政が厳しいという面はあると思うが、市民の怒りの声や不安な思いを耳にするたびに、このままでいいのだろうかと思う。

質問だが、下関市では計画期間を20年間とし最低30%の公共施設の延床面積を縮減することを目標としている。まずこの数字がどのように出されたのか。根拠を示してほしい。

今井総務部長 平成28年2月に策定した下関市公共施設等総合管理計画においては、計画期間における総人口および生産年齢人口の減少割合は23~27%、公共施設等にかかる将来の更新費用の不足割合は約38%と予測されていることから、これらを総合的に判断して30%以上の削減という目標を設定した。

本池 将来人口予測に下関市は国立社会保障・人口問題研究所のデータを用いている。下関市では2015年10月に「下関市人口ビジョン」を策定しているが、その数字を使わなかったのはなぜか。

今井総務部長 前段階の平成27年3月に策定した下関市公共施設マネジメント基本方針においてもすでに国立社会保障・人口問題研究所の数値を使用していた。下関市人口ビジョンでは基礎としている数値は同じだが、今後も人口流出に歯止めがかからず、純移動率が縮小しないと仮定した場合や、合計特殊出生率が上昇し純移動率が縮小した場合など、将来人口を数パターン想定し、このうちもっとも縮小幅が小さくなるものを展望人口として示している。しかしながら公共施設マネジメントにおいては全国水準等と比較検討が必要となるため、より汎用的な国立社会保障・人口問題研究所の数値をそのまま用いることにした。

本池 全国の自治体が公共施設等総合管理計画を策定しているが、他都市を調べたところ、北九州市は40年間で20%、呉市は30年間で30%、なかには目標数値はあえて出さず住民との協議によって進めている自治体もあるようだ。下関市の20年間で30%という削減目標は他都市と比べてかなり高い数値だ。それが人口予測から来ているのであれば、下関市の人口ビジョンの展望人口に沿ったものであってもいいのではないかと思う。この数字のおかげで多くの市民が不安を抱えるものになっているからだ。この計画は経過年数や利用状況から策定したと、これまでの答弁でいわれているが、数字では図れない利用状況を見るべきではないだろうか。

今日紹介したいのは集約対象施設になっている彦島・老の山にある勤労青少年ホーム「ユーパル下関」だ。1973年に建設され築46年になるこの施設も2022年までの前期に集約化の対象となっている。まずこの建物が建設された経緯や目的を述べてほしい。

勤労青少年ホーム「ユーパル下関」

山本産業振興部長 昭和45年に施行された勤労青少年福祉法においては勤労青少年の福祉の増進を目的として、地方公共団体による勤労青少年ホームの設置に対する努力義務が規定されていた。本市においても勤労青少年の福祉と健全な育成をはかるため、働く青少年が余暇を有意義に活用し、充実した職業生活を送ることのできる施設として昭和48年6月に、下関市勤労青少年ホームを開館した。

本池 当時造船・鉄工業が栄え、若い労働者が非常に多かった彦島地区に建てられたという話も聞いた。現在15~35歳までの登録会員は76名おられ、定期的に施設を利用する登録団体も無料で使用できるようになっているようだ。現在の利用状況を教えてほしい。

山本産業振興部長 平成30年度の年間利用者数は2万189人で、うち市内に住所または勤務先を有する15歳以上35歳未満の勤労青少年の利用者が8409人、全体の約42%であり、一般利用者は1万1780人で全体の約58%となっている。勤労青少年については6団体ある音楽団体の利用が大半を占めている。

本池 ユーパルでの活動を紹介したい。音楽活動では、吹奏楽団2団体と、子育て支援団体の楽団も利用されている。下関のなかでも歴史ある楽団だ。毎年市民会館や生涯学習プラザで大きな演奏会を開いている。子育て支援団体は、子どもを連れたお母さんたちで構成され、子どもたちも自由に、鍵盤ハーモニカなどの楽器やダンス、歌で参加している。卓球は11団体ほどが所属しており、毎年3回、指定管理を受けている管理公社の主催で卓球大会も開かれている。中国料理教室、ピラティスの教室、フラメンコの教室もある。小さな施設で非常に多彩な活動がおこなわれている。このほかロックバンドやヨガ、尺八、パン教室、韓国料理教室などがおこなわれている。今後どこに集約化するつもりだろうか。

山本産業振興部長 集約先等の具体的な内容についてはこれから検討していきたいと考えている。

本池 利用者のみなさんからすれば、「どこで練習するのか」が真っ先に問題になると思うが、集約先が決まってもいないというのは無責任な話だと思う。この間、スポーツ、料理、ダンスを楽しまれている姿に触れ、話をさせていただいた。そのなかでもっとも感じたことは、みなさんが練習の日を楽しみに、生きがいとして足を運ばれていることと、その「場所がある」ことがいかに大事であるかということだ。

吹奏楽のあるお母さんは、「毎日の子育てで大変なことがあっても、ここにくれば誰かがいて、おしゃべりして、子どもを見ながら演奏できる。毎週の練習日を楽しみにしています」といわれていた。子育て世代の方たちにとってはこういった活動にはかなりの制限があると思うが、ここでは子どもたちも大人の演奏に参加し、そばでお弁当を食べたり、みんなで遊んだり、ときにはいろんな大人に注意もされながら、のびやかにすごしている。卓球や料理も同じだ。

私もこうして各地域にある施設が子育て世代や忙しい現役世代、高齢者の方の健康や生きがいを支えていること、それが市民レベルでの元気をつくり、地域の発展に貢献していただいているのだと再認識したところだ。

吹奏楽やバンドなどの音楽活動をされている方たちは、ユーパルには楽器庫があり、毎回重たい楽器を運ばなくてもいいことが活動を続けていくうえで大変ありがたいといわれていた。ドラム、ティンパニー、マリンバなどの大きな打楽器もあるので、楽器を置く場所があることが活動を保障するものになっている。さらに、現役世代ばかりで活動は夜になるが、施設が山の上にあるため、夜に音を出しても周辺住民とのトラブルも起きていない。吹奏楽などの大きな音はNGとなっている施設も多く、「どこか別の場所」を探すのは大変だ。

これほど多くの方々に大事にされ、必要とされている施設だ。このような多彩な活動があることは下関市としても誇れることであり、大変ありがたいことだと思う。集約化はそれほど急ぐことではないし、活動をつぶすことがないよう一旦は存続をお願いしたい。

この一つの事例からも、公共施設の廃止は慎重でなければならないと思う。みなさんのお話を伺ってみて、場所がなくなることで活動をやめざるをえない団体が出てくるのではないかと懸念している。

今後、ユーパルだけでなく市全域で市民の活動の拠点となっている施設が廃止・集約されていくことは、市民の体育・文化活動の弱体化を招き、ひいては下関市の活気を失うことにつながるのではないだろうか。健康寿命の延伸政策も国あげてやられているし、教育委員会でも生涯学習を推進しておられると思う。政策の矛盾を感じるが、行政としてそうしたソフト面からの検討はなされたのか。

今井総務部長 総合管理計画、方向性を策定するに当たっては関係部局と一緒にさまざまな検討をおこなって策定した。実際の実施にあたっては、利用者の方や関係者の方への説明、対話に十分な時間をかけておこなうべきだと考えている。とくに住民のご理解を得ることは重要なことだ。個別の施設の存廃、複合化や集約化、譲渡などの検討にあたっては、数値目標のみにこだわることなく、市民の方々との対話をはかり、ご理解をいただきながら実現に向けてとりくんでいくことを原則として進めていきたい。

本池 公共施設等総合管理計画をめぐっては、自治体によってとりくみはさまざまだ。同じ削減を目的としているところでも、地域に必ずある学校は残して、そのほかの公共的なものを学校に集約し、高齢化が進むなかでとり残される住民がいないようにしている自治体もある。市と地域との話し合いによって施設の管理・運営の方法を考えた自治体もある。そういったなかで下関の計画は一律に耐用年数や数字的な利用状況だけで判断している印象がぬぐえず、どのような街にしたいのかというビジョンが見えてこない。

ここに宇部市の「公共施設等総合管理計画」がある。下関市と同時期に策定されたものだが、その後に下関市のように施設一つ一つについて「廃止」「集約」「存続」など明記している「方向性」は出していない。なぜなのかを政策広報室政策調整課に聞いてみると、「策定段階では個別の施設をどうするのかは決められる状況になかった」との答えだった。「個別の方向性については、その施設を使っている市民の意見を聞く必要がある。今後減らすという方向は出しているので、もしかしたら全員が納得いくような方法にはならないかもしれないが、市民の方とお話したうえで今後の方向性を決めていきたい」といわれていた。市民とともに考えていくことが大前提だ。長野県飯田市では、総合計画そのものを住民と一緒に考えたそうだ。時間はかかるが、そのことによって住民の自治意識の涵養になるとりくみであったそうだ。

公共施設は市民の財産であり、市民生活を支える施設で、市が勝手に決めることはできないものだ。国のインフラ長寿命化計画が公共施設の統廃合のみに切り縮められていること、多くの自治体が翻弄されていることに大変な危機感を覚える。削減計画を出さなければ交付金が下りないということもあるようだが、今の下関市のようなやり方では今後あちこちで住民との衝突になることは明白であり、対象施設の説明員となる職員さんにとっても心が痛むやり方ではないだろうか。

人口減少が進む小さな地域では、まちづくり協議会や自治会役員、民生委員、学校関係者のみなさんが、地域を存続していけるよう、さまざまなとりくみを必死になってやられている。その住民を守る行政が、一番に住民の暮らしを守る立場を投げ捨ててはならないと思う。住民の暮らしや活動に対する思いに目を向け、財政が厳しいなかでも市民の力を借りながら下関の活力を維持し発展させていくことこそ、もっともリーダーシップが問われることだと思う。

下関市の公共施設マネジメント計画は全面的に見直し、住民とともにまちづくりをしていく視点から再考すべきだと思う。総務部長さんいかがだろうか。

今井総務部長 公共施設マネジメントの推進にあたっては全国一律ではなくそれぞれの自治体の実情に応じてとりくんでいくものだと理解している。本市においては公共施設が多く延床面積が非常に多いこと、さらに老朽化している状況にある。他市と比較しても一層迅速なとりくみが求められていることから、本市独自のとりくみとして、公共施設の適正配置にかかる方向性を策定したところだ。これは施設所管課が策定する個別施設計画や各施設マネジメントの指針となるものと考えている。公共施設の適正配置に関する方向性は、決定事項ではなく、市民の方々と議論を深めて行くための、現時点での市の考え方を提示したものであり、今後市民の方々と対話をはかり、ご理解をいただきながら実現にとりくんでいく。

本池 住民の活動にしっかり目を向けていただきたい。最後になるが、今月29日に海峡ゆめ広場でおこなわれるコーズマーケット、そして来月27日には深坂の森「自然の家」で、ユーパルを拠点にしている吹奏楽団のコンサートがおこなわれる。幅広い年齢層の市民や子どもたちがいきいきと演奏される姿を執行部のみなさんにも、議員のみなさんにもぜひとも見ていただきたいと思う。