安岡沖洋上風力発電計画の説明会

23日に、安岡公民館でおこなわれた前田建設工業による「住民説明会」に行ってきました。前田建設工業が安岡本町にある前田建設の寮の敷地で図った測定値をもって、「低周波音による影響はない」ということを住民に説明するために開いたものです。

この数年間のあいだに、安岡地区の住民の方々を中心に、風力発電がひき起こす健康被害が明らかになり、反対運動が根強く広がってきました。生活の糧である海を風力発電建設によって奪われてしまう漁師さんたちも同じです。しかし、前田建設工業は住民の声に真摯に向き合うどころか、住民を相手取った訴訟をおこしたり、住民の抗議を無視して事業を強行してきました。説明会には安岡、綾羅木地区の住民のみなさんが約400人詰めかけ、廊下、階段、建物の外まであふれ、これまでの前田建設の進め方に対する怒りと不信感が終始噴き出すものとなりました。

「このような説明会を1000回やっても10000回やってもまったく交わることはない。実際に前田建設は地域住民4人を訴えて1000万円を超える損害賠償請求をおこしたりしている。主要メンバーを崩して住民の運動の力を削いで風力を立てるというやり方だ。なぜ地域住民がここまで反対しているのか、東京ではわからないのだろうが、住民の反対運動がぶれることは絶対にない」

「私たちがなぜこんなに反対するのか。自分たちはあと20年も生きないし我慢もできるが、これからを生きる子どもたちや孫たちのため、20年も被害にあわせないために雨の日も風の日も雪の日も反対を続けている」

「被害はないというが、だったらなぜ風力発電で具合が悪くなる人がいるのか。自分の実家は風力発電の近くにあるが800メートル以上あることでなにも対策はなされていない。年をとっているし、家は古い。具合が悪くなったのも、風力発電がすべてではないかもしれないが、原因のひとつであることは明らかだ。豊北町を軽くみないでほしい」

「5年前の説明会のとき、健康被害が出て集団訴訟にでもなったら、訴訟先は前田建設でいいのかといったら、うちではでもするときに責任を取るのかといったらとらないといった。建てたあとは住民がどうなってもいいということだ。そういう企業の性根が今回の裁判沙汰ではないのか」

「さまざまに説明されたがこれで本当に大丈夫なのか私たちには理解できない。超低周波音の説明もなかった。しかも先週、号外を見て裁判結果のことを知り愕然とした。このような裁判をやるということは住民とあなた方は永遠に握手をするということがないということだ。そういう結果になった原因はなにか、あなた方はわかるはずだ。もう一度最初から住民が本当に納得のいく説明をしてほしい。うわべだけの、専門用語でごまかすような説明ではこのような説明会を何千回、何万回やっても理解はできないし、裁判がある以上手を握ることはない」

「健康被害が1%であれ、0.1%であれ、26万人に1人であれ、それが自分の子どもだったらと思うと耐えられない。もしそうなった場合誰が補償してくれるのか。下関のため、地域のために目をつぶるのならまだしも、なぜあなたたち一私企業のために私たちが目をつぶらないといけないのか」

自治会関係者、医療関係者、子どもをもつ保護者の方、女性、反対運動を担ってこられたたくさんの方方が、住民の切実な思いを次次に発言されました。

下関市議会は2014年3月に風力反対の請願を全会一致で可決していますが、ここまで来て、市民の代表として、このような切実な問題にもう一度向き合わなくてはいけないと思います。