「第二次下関市住民自治によるまちづくり推進計画」に対するパブリックコメント

下関市では12月4日まで「第二次下関市住民自治によるまちづくり推進計画(素案)」についてのパブリックコメントがおこなわれています。下関市が平成27年度から設置を進めてきた「まちづくり協議会」が5年を迎え、来年度から令和6年度までの第二次推進計画を策定するためです。


 

 まちづくり協議会は、市が中学校単位を基本にして17地区に分けて設置させたものですが、設立の目的がはっきりしないこと、既存の住民組織の存在や役割を無視したようなものであったことから混乱が広がってきました。「まちづくり協議会」ともいえる住民組織がある地域に対しても新しい組織の設立を迫り、自治会役員が重複して役職をかけもっておられるところも多いかと思います。一連の過程のなかで、協議会を離れていった関係者の方もたくさんおられ、何のために行政が主導してこのような組織をつくるのかを問う声は、現在に至るまであります。

 しかし、さまざまな課題をかかえながらも数年越しで全地域に協議会が発足し、地域活性化への熱い思いをもった方々によってまちづくり協議会は運営されてきています。各地区の活動は非常に多彩で、課題に即しみなが暮らしやすい地域をつくっていくための工夫をこらしたとりくみがおこなわれています。私も中東地区の活動のなかで地域の方々の活動や、その思いをお聞きし、学ばせていただいています。

 ただ、今の運営に限界性を感じておられる方々の声も多く耳にしており、「もっと地域課題に対応していくことをしたい」「イベントだけでは意味がない」といったご意見に加え、「今のままやりつづける意味があるのか」という根本的なお話がされているようです。5年間が経過したこの機会に、みんなで総括をする必要があるのではないかと思います。また、行政も議会も関係者のみなさんがどのような思いをもって活動されているのかを知らなければならないと思います。これまで関わってきた方々だけでなく、「まちづくり協議会」を今まで知らなかった人でも結構です。パブリックコメントは推進計画案に対するものですが、みなさまからの率直なご意見がたくさん寄せられればと思います。

締め切り間近になってたいへん申し訳ありませんが、パブリックコメントは市役所本庁や旧4町総合支所、市内12支所に置かれています。下関市HPでも見ることができますので、ぜひご覧ください。ご不明な点等ありましたらご連絡くださいませ。

蓋井島に行ってきました。

11月10日、蓋井島に行ってきました。

島に渡るのは4月に続き2回目です。朝9時に吉見漁港発の蓋井丸に乗って約40分、人口約90人の蓋井島に到着しました。

地元の方に島内を案内していただき、島のはじまり、漁港、みかん畑、エミュー牧場、金比羅山の山頂などを見せていただきました。天気がよく、金比羅山の山頂からは沖の島が見え、本土を正面にする海岸からは角島も見えました。

この日は伝統行事である「亥の子祭り」がありました。毎年おこなわれる行事で、島の子どもたちが家々を回り、家先で石を鳴らしながら歌をうたいます。歌が終わると家の人はお礼をいってお菓子とお賽銭(?)を子どもに渡します。この島流のハロウィンのようですが、亥の子祭り自体は他の地域でもやっているところがあるようです。どのような意味があるのかは次に伺うさいに詳しい方に聞きたいとおもいます。「いーのこいのこ♪」と一生懸命歌うのは子どもたちですが、玄関先で歌を聴く側の大人もみな子どものころから歌って育ってきたそうで、子どもたちが間違えそうになるとすかさず一緒に歌ってあげます。とても和やかな光景でした。

子どもたちについて回るなかで、保護者の方たちともお話することができました。役所も郵便局もない小さな島ですので、多くの人が漁業で生計をたてておられます。そして民宿や学校が職場となっています。漁業は個人の船もありますが、定置網漁を共同でおこなっており、島の大きな収入源になっているそうです。

帰りの最終の便は15時。まだまだ聞きたいことがたくさんありましたが島をあとにしました。

最後に、これまでも島に行く計画をしていたのですが、2回ほど時化で流れ今回にいたりました。本土との行き来の不便さを実感しましたし、だからこそ島の人たちが日常を島内で安心して暮らしていけることが大事なのだと感じました。島民同士のつながりが強く、島釣り客や観光客など外から島にやってくるひとへの温かいおもてなしもまのあたりにできました。市民であってもなかなか行くことがない場所かもしれませんが、ゆっくり過ごすには絶好の場所です。ぜひ蓋井島に足をはこばれてみてはいかがでしょうか。

お世話になったみなさま、ありがとうございました。

 

建設消防委員会視察 第2回

10月29日~30日、建設消防委員会の視察で東京に行ってきました。

下関市では総合体育館の建設が予定されており、今の向洋グラウンドの場所が建設候補地となっています。

それも踏まえ建設消防委員会の視察としてPFIで運営している東京スポーツ文化館「BumB(ぶんぶ)」を見学してきました。「ぶんぶ」は、東京江東区夢の島にある体育施設で、昭和30年代のごみ問題をきっかけにできた埋立地に建っています。もとは都営でしたが、平成16年から20年の契約で「PFI区分ユース・プラザ株式会社」が運営しています。同社は大林組やコナミスポーツ、合人社などの企業7社で結成されており、施設内で担当エリアを分けて運営しています。

施設には、スポーツゾーン、文化・学習ゾーン、宿泊ゾーン、パブリックゾーンと4つのゾーンがあります。

写真は、エントランス、メインアリーナ、温水プール、アーチェリーフィールドです。温水プールは、下関と同じでごみ焼却場の余熱施設ですが、少年220円、青年・一般320円とかなり良心的な価格です。

これらの価格は都営時代のものを引き継いでおり、PFI事業になってから独自に変えるということはしていません。自主事業としてスポーツイベントや催しの開催をおこなっているそうです。施設そのものは都のものであることから、当然施設内の設備の改修・更新が必要なときは都に申請しなければなりません。

説明された企業の担当者は、新しいことをやろうと思ってもなかなか自由にできず、時間がかかってしまうことを課題としてあげておられました。事業期間は残り4年。その後については未定だそうです。

企業さんの説明をお聞きして、「結局PFI事業をすることで誰が得をするのか」という疑問がわきました。公共施設や事業をPFI事業で運営することが増えてきて、下関市でも浄水場や新体育館、市営住宅などで設計、建設、運営までを含めたPFI事業計画がつぎつぎに出てきています。行政としては市の負担を少なくすることが目的ですが、それによって公共性が失われ、一部の企業や金融機関がもうけていく仕組みであることはすでに多くの方々が指摘されています。施設や事業によってあらわれかたはさまざまだと思いますが、利用料金が高いか安いか、などといった問題だけでなく、公共施設(事業)としてどうなのか、という視点で今後も見ていきたいと思います。