下関市では現在、老朽化した南部学校給食共同調理場(彦島江の浦)の建て替えが計画されています。そして、一の宮にあります地方卸売市場新下関市場の敷地内に一日当り最大約8000食を提供する大型の給食調理場が建設される予定です。
南部学校給食調理場の受配校である彦島地域の学校だけでなく、これまで自校方式でやってきた学校も新調理場に吸収し、その施設を民間に運営させるというものです。そして問題になっているのは、子どもたちの成長にとって欠かせない給食の提供先が変わるこの件について、対象校となる23校の小・中学校の保護者も、栄養士さん、栄養教諭、調理員さんたち、だれもなにも説明を受けないまま計画が進んでいることです。
最近、保護者から「どのような給食センターができるのだろうか」「民営化して市が運営しない施設になって大丈夫なのか」「自校式からセンター方式に変わることはどうなのか」「ちゃんと説明してほしい」といった声をお聞きしています。説明時期について教育委員会に確認したところ、この度の新調理場建設が「民設民営方式」(民間業者が建て民間業者が運営する)であるため、保護者に向けた説明は事業者が決まり仕様が定まったときに初めておこなうそうです。
この間、食に関する問題について勉強をしてきたのですが、やはり給食はただ子どもたちに食べさせればよいだけのものではありません。温かく、おいしく、子どもの成長に大きくかかわっているもので、私たち大人もそうした環境のもとで育てられてきたのだと改めて実感しました。今の下関市のやり方では、子どもたちの成長にとってどうなのかという視点が抜けており、財政の効率化や学校統廃合への対応などを主眼においていると思えます。
給食を提供するうえではもっともいいとされる「自校方式」の学校がたくさん残っている下関は他自治体と比較しても子育て環境としては充実しています。それを自ら手放し、集約して大規模にしていいのか、さらにそれを民営化していいのでしょうか。老朽化の問題を解決することと、民設民営の大規模なセンターをつくることはわけて考えなければならないと思います。
なによりまず、この件について教育委員会が、すべてが決まったあとではなく、保護者や教育関係者に説明することが先ですし、子どもたちのためになにがいいのかをともに考えていく必要があると思います。
みなさんのご意見をお待ちしています。