6月議会の一般質問「新学校給食センターについて」のご報告【文字起こし】

下関市教育委員会は2024年4月から、下関アグリフードサービス株式会社(広島アグリフードサービス会社が設立)が建設・運営する民設民営の新学校給食共同調理場で給食の提供を開始する日程で準備を進めています。しかし、開始まで1年を切った現在、自校式からセンターへ転換する学校の受け入れ体制や、アレルギーのある子どもの把握や管理をだれがするのか、新センターの担当として栄養教諭3人が配置されるのかどうかなど、具体的な体制の多くが未確定のままです。

開業を急ぐ一方、学校現場を後回しにする「業者ファースト」の姿勢が混乱を招いており、学校現場に「このままスタートして大丈夫なのか?」と懸念と憤りの声が広がっているため、この問題を6月議会の一般質問でとりあげました。執行部との質疑の内容(要旨)を以下、お伝えします。みなさんのご意見をお待ちしています。

建設中の新給食センター(新下関市場内)

本池 南部学校給食共同調理場の老朽化にともなう移転・再編計画が持ち上がり現在に至るが、来年4月に供用開始を迎える。これ【写真㊤】は現在建設中の建物だ。順調であるということなので建物については完成していくのだろうと思うが、肝心な中身について、「本当に大丈夫なのか」という心配の声が各方面から寄せられている。そうした声に対し、教育委員会としてはどのように考えているのか、きちんと向き合った対応がなされているのかを聞く。

まず安全な提供を左右する最大の関心事として、栄養教諭の配置がある。

【図①】を見てほしい。受配校22校に栄養教諭は現在9名おられる。うち2人は南部学校給食調理場に所属しており、自校式の学校ではアミ掛けをしている7校に栄養教諭がいる。新学校給食センターには、現在の南部調理場、中部調理場のように、栄養教諭の配置ができないと聞いている。その理由はなにか。

藤田教育部長 新給食センターは民設民営方式のため、算定基準に当てはまらないので配置されない。

本池 国や県に受配校に配置するよう要望をおこなってきたと理解している。要望内容とこれまでにどんな返事が来ているのか示してほしい。

教育部長 共同調理場として算定した人数を配置してほしいと、文部科学省や山口県に対し要望し、協議しているところだ。当初、国等に要望していたのは法律の改正、その後法律の解釈ということで要望を続けてきた。新センターの事業主体は市であるので、同等であるということで理解いただきたいということ、食育の推進のため栄養教諭が必要であるという内容を中心に要望している。

本池 回答はまだということか。

教育部長 ひき続き協議しているところだ。

本池 見通しは。

教育部長 栄養教諭は山口県が配置するので、協議を重ねて決定するものと考えている。

本池 令和3年12月議会で全国学校栄養士協議会下関市支部の元栄養教諭の方々より陳情書が出された。内容は、食習慣の形成に欠かせない「食育」の実施のため、5名の栄養教諭を受配校に配置すること。もう一点は、給食センターと受配校の連絡調整、アレルギー対応、食育対応のための栄養教諭を教育委員会に配置してほしいというものだった。なお、県費負担での配置がかなわない場合には、実現まで市費負担での配置を求めるものだった。

当時の委員会では、この陳情に賛成で一致したように記憶している。先ほどからの答弁では栄養教諭配置がなされるかどうかもいまいちはっきりしないが、もし県費で配置がなされない場合、市費で配置する予定か。

教育部長 今後、協議を踏まえるなかでしっかり考えながら、安全安心な給食が提供できる体制づくりを検討していく。

本池 「はっきりしたことが決まっていない」といってよいのは、少なくとも昨年段階の話だ。来年4月に稼働するという時点でいうことではないと思う。いつ決まり、関係者や議会に明らかにされるのか。

教育部長 栄養教諭の配置は県の人事異動なので、いつはっきりするかは申し上げられない。

本池 県の人事が肝になるということであれば、市費負担での配置はなされないと捉えられるが、確認する。

教育部長 教員の人事権は市が持っていないので、栄養教諭を市で任用することは難しい。ただし、給食を適切におこなうための体制づくりは市としてはしっかり検討していきたい。

本池 栄養教諭ではなく、栄養士なり栄養教諭に準ずる方を市費で雇用することはあり得るということか。

教育部長 しっかり対応するよう体制づくりは検討している。

本池 先ほどからの答弁では、栄養教諭の配置について、安易に考えていると指摘せざるを得ない。栄養教諭は給食に関する業務を一手に担っておられる。給食業務のなかでも、食数報告とアレルギー対応は非常に重要で、これに連なって「安心」を担保する細やかな業務があり、これまでいた栄養教諭がいなくなることで現場は大混乱に陥るのが必至だ。

新センターへの移行にともない、これまで栄養教諭の方々がされていた業務をだれがするのかということは、学校現場で非常に心配されていることでもある。そこでお聞きするが、これまで栄養教諭が中心になってされてきたことを今後だれがおこなっていくのか。

教育部長 自校式の7校については各学校への栄養教諭の配置がなくなるが、調理業務にかかる管理業務がなくなる。また、現在も栄養教諭の配置がない自校式の調理校もある。学校においては、文部科学省の「食に関する指導の手引き」にもとづき、食に関する指導の全体計画を作成し、学校全体で組織を編成し、食育の推進をはかることとなっている。新センターの受配校となる学校も、現在の南部・中部共同調理場の受配校における栄養教諭の未配置校と同様に、巡回指導による対応と学校内での組織体制にもとづいて食育の推進をはかる。

アレルギー対応巡って

本池 もっとも危機感が高いアレルギー対応について具体的に聞く。

【図②】は、アレルギー対応に関する栄養教諭の動きだ。私の聞きとりで作成したものなので足らない部分もあるかもしれないが、アレルギーに関するものだけでも前年度から保護者とのやりとりを重ね、管理職や学級担任と連携して、当日の提供後まで二重・三重のチェックで動いていることがわかる。ちなみにこれは自校式のなかでもレベル3の除去食対応をおこなっているところの例だが、自校式のなかには他にもレベル1~2の「詳細な献立対応」や「弁当対応」をおこなっているところもあり、栄養教諭の配置状況や給食室の設備によって、どのレベルでおこなうかの判断がなされている。

新センターになると、すべての受配校に特定原材料の7品目を除去した「除去食」が届くようになる。しかしすでに除去食対応をおこなっている学校でも、おこなっていない学校でも、7品目だけでなく28品目やそれ以外の食材にも対応している。

つまり、今後どのような問題が生じるかというと、7品目に該当する子はセンターのアレルギー食を食べられるようになるが、7品目以外のアレルギーに対しては、これまでどおり自己除去、弁当対応をしなければならないということだ。

ただ、これは食べるか食べないかの話であり、先ほどの表にあるように保護者と連携を密にとって一人一人の子どもの状況を把握することは、これまでと同じようにしなければならない。南部・中部共同調理場も現在は除去食対応をしていないので、今まで以上に管理は厳重にしなければならない。

除去食対応が始まることで、みんなと一緒に給食が食べられるようになることは前進である反面、これまで以上の体制で注意を払わなければ、間違った給食が別の子のところに配膳されたり、ついおかわりをしてしまったりという、これまではなかったリスクが生じる恐れもある。つまり体制をきちんととるかどうかで前進にも後退にもなるわけだ。

だからとくに子どもたちの命にかかわるアレルギー対応に関し、栄養教諭の配置が必要だとの声がこれほどあるのだと理解している。教育委員会でそこまでの検討はされているのか。先ほどはアレルギー対応について「学校全体で」「中部・南部でやっているように」との答えだったが、これまでのべてきたような具体的なアレルギー対応はだれがするのか。

教育部長 令和4年度よりアレルギー対応については学校栄養部会、学校養護部会とも協議を進めてきた。今年度は教育委員会に栄養教諭の資格を持つ者を指導主事として配置し、ワーキンググループをつくり、検討してきたところだ。アレルギー対応についてもしっかり検討するし、稼働に向けて準備を進めたい。

本池 要するに検討段階ということだ。栄養教諭が配置されるかどうか明確な答えはないし、養護教諭はアレルギーが出た後の対応の専門家だ。ただでさえ、子どもたちの健康管理全般を担っているところにアレルギー対応までさせるのか。

教育部長 今、共同調理場の配送校には栄養教諭が専属でいない学校もあるが、アレルギー対応はしっかりやっている。新センターについては、今現在やっているものに加え、何か課題はあるのか、どういう形でいけば対応できるのか、しっかり検討しているところだ。

本池 確認だが、現在栄養教諭がいない学校でレベル3の除去食対応をしているところがあるのか。

教育部長 正式な学校数までは把握していない。

本池 調べのなかで聞いたさいも、除去食対応している学校については把握していないとの答えだった。なぜこれほどいうのかというと、栄養教諭が未配置の学校の多くはこれまで除去食対応をしておらず、新たに除去食対応することについて「今まで通り」は通用しないからだ。「未配置でもアレルギー対応はしているからできるはずだ」という答弁は無責任ではないか。

教育部長 決して無責任ということではなく、レベル3に必要な対応を検討している。栄養教諭の有無にかかわらず、しっかりやっていく。その体制づくりもしていこうと話をしているところだ。

本池 把握もせずに、「栄養教諭がいない学校もあるからできるはずだ」というのは安易だ。栄養教諭が未配置など、除去食の提供にあたり万全な体制がとれない学校では、そもそも除去食対応はされていない。南部調理場も「情報提供」のみだから2人で対応できており、新センターになり新たに除去食対応をおこなうということは、今まで以上の厳重な体制で臨まなければならないということだ。子どもたちの安全を第一に考えればセンター配置基準の22校で3人ではとても足りない。1校につき1人の栄養教諭を配置するくらいでなければ安全は担保できないと思うがどうか。

教育部長 市独自で未配置校に栄養教諭をすべて配置することはできない。

本池 栄養教諭の配置が市の判断だけでは難しいことはわかる。除去食の提供は本当に神経を使ってやっておられるし、それだけの体制が必要だということを申し上げている。栄養教諭なしに除去食対応はできない、恐ろしいと学校現場のみなさんいわれているし、教員不足のなかで誰がやるのかとの意見も出ている。片手間にできることではない。このままでは事故が起きるとの危機感も広がっており、アレルギー対応だけでも、稼働後、落ち着いてからするべきだとの意見も聞いた。

この点について教育委員会にも確認したが、あまりにも現場との感覚がかけ離れており、無責任極まりない対応だと感じている。まず学校現場に出向き、どのようにアレルギー対応をしておられるのか、知っていただきたい。

本来これについては、民設民営を決める前にしなければならないことだ。「栄養教諭がいない学校であってもアレルギー対応を含め、給食業務ができるのだ」と、何度も聞いてきたので、本当にできるのか気になり、今年度から栄養教諭がいなくなった学校に聞きとりをしてみた。

ある学校では、昨年度まで栄養教諭1人でやっていた業務を7人体制でひき継いだそうだ。7人のなかには管理職や養護教諭はもちろん、学級担任を持つ先生方も入られて、給食業務をおこなっておられる。とくに給食主任の先生は食数把握に苦労しておられ、土日も出勤して一生懸命やられているそうだ。大変ありがたいことだが、昨今問題になっている働き方改革に逆行もいいところではないか。負担軽減どころか負担は急増している。

先生方は子どもたちのためになにもいわずにやってくれているが、これは市教委の方針によって生じた問題だ。行政の事情で先生方に負担を押し付けることはよしとされるのか。「栄養教諭がいなくても大丈夫だ」というのは、現場の先生方に大変な負担を強いて成り立っているものだということを指摘させていただく。

受けとり体制について

本池 続いて受けとりの体制等について聞く。

新学校給食センターへの移行にともない、それぞれの学校にアグリフードの受配員が配置されると聞いている。この方々の業務内容は。

教育部長 配送校に配送された学校給食、食器等の数量や状態を確認し、各学級別に仕分けるとともに児童・生徒の受けとりを補助する。また配送されたアレルギー対応食が子どもに行くよう補助する。返却された食器のコンテナへの格納および配送、回収の準備をすることになっている。

本池 配送されたアレルギー対応食を対象児童に確実に手渡すともいわれたが、この方々は栄養士なり、食に関する知識を持った専門家か。必要とされる資格や要件等はあるか。

教育部長 とくに資格はもうけていない。

本池 専門家でない方、学校関係者ではない方が、アレルギー対応食を扱うのはあまりにも危険だと思う。理由は先ほどからのべているとおりで、学校に安全な体制がとられるのかという不安があるなかで、ここもアレルギーに関しては素人だということになると、余計にでも学校の方で安全な体制が必要だ。

もう一点、学校給食の牛乳は山口県酪からの納入だが、来年度から作業をする人が不明な状態になっていると聞いた。それは事実か。事実であれば理由をお願いする。

教育部長 受けとり従事者が状況を確認することになっている。

本池 学級ごとにわける作業は受けとり従事者がやることに決まったのか。

教育部長 受けとり従事者の業務そのものが今手元にないが、業者が配置する受けとり従事者がおこなうものと認識している。

本池 この件に関して、アグリフードとの契約に入っていなかったという話も耳にしているが、それは事実か。仕事としてお願いするのであれば、契約内容の変更も加わるのかと思うがどうか。

教育部長 今具体的に承知はしていない。受けとり従事者の業務に含まれていると認識しているが、改めて確認させていただき適切な体制づくりを整えて参りたい。

本池 続いて配膳室について聞く。

センターから大型のコンテナで運ばれてくるようになることから、配膳室の改修工事がおこなわれる予定で、20校で5000万円の予算がついている。夏休みの改修になると思うが、来年4月の稼働までにすべての学校の改修工事が間に合うのか。

教育部長 配膳室の改修は今年度中に実施する。現在の給食提供に支障がないように、主に夏期休業中に改修を実施する。給食提供に支障のある部分については3学期の給食提供終了後におこなう予定としており、来年4月の稼働に当然間にあうように考えている。

本池 部長は間にあうといわれているが、これ【写真㊤】はある受配校の配膳室の写真だ。ここにコンテナが運ばれて来るそうだ。コンテナの大きさは、食缶分で85㌢×146㌢×高さ160㌢なので、写真の通路全体の半分から3分の2ほどがコンテナで占領され、子どもたちが給食をとり出し、運ぶスペースが残りの3分の1ほどしかなくなってしまうそうだ。

次【写真㊦】は子どもたちが給食を受けとりに来た場面だが、全学年が次々にやって来るので通路は非常に混雑する。安全に給食をとり出したり、手渡したりできる環境かどうかを考えていただきたい。改修工事は完了はしても、本当に子どもたちが安全に給食を運べる配膳室になったのかという視点で見たときに疑問を感じざるをえない。こういった状態を把握しておられるのか。

教育部長 狭い場合は配膳室を撤去するとか、学校によって今の配膳室を使うのか、そうでない場所にコンテナ置き場をつくるのか各学校の状況によって変わるので、しっかり対応していきたい。

本池 工事について、トラックが通るのか、コンテナが入るか入らないかという視点のみで拙速に進めているように思えてならない。今年度は 2、3学期も給食がある。それを考えているのかと疑問に思う点が多々ある。壁や花壇をとり払うとか、屋根をとり外すとか、市教委の都合を押しつけて学校関係者と衝突してはいないだろうか。栄養教諭の配置、アレルギー体制、受けとり体制、配膳室に関してこれまで質問してきた。現場はさまざまな疑問や意見を持っておられる。そうした声も聞こうとしなければ聞こえてはこない。そして、栄養士の配置についても決まっていないという回答もあったように、1年を切っているのに決まっていないことが多すぎる。現在はどのような準備の進め方をしているのか。

教育部長 ワーキンググループをつくって新センターでしっかり給食提供できるような仕組みづくりをしている。説明会等も随時開催しており、2月には受配校の校長の説明会をおこない、センターの整備概要、受配校の配膳室の改修工事の内容、食物アレルギーへの対応についての説明をおこなった。5月には食品衛生講習会において新センターの概要、物資調達の仕組み等について学校給食食材の納入業者に説明をおこなった。今後、7月に保護者への情報提供、九月には受配校の説明会を予定している。

本池 ワーキンググループ自体、当初の予定にはなかったもので、昨年度末の学校関係者に向けた説明会を受けて、「このまま稼働したときに大変なことになる」という学校側の危機意識から立ち上がったものだと聞いている。ここまでの質問でも明らかなように、安全に給食を提供する体制がとられているかというと、決まっていないことが多すぎるし、学校現場は非常に混乱している。このような状態になった理由はどこにあると考えているか。

教育部長 私どもとしては学校現場ともしっかり話をしてきているし、説明についてもしっかりしてきているが、それがしっかり伝わっていないのだとすれば、説明の仕方なり、情報提供の仕方に課題があったのだとしたら、反省があるとすれば反省も含めてしっかり今後は情報共有もしていきたい。

本池 本当に反省していただきたい。この計画が浮上した当初から、学校給食施設や給食そのものの課題について、みんなで考える場をもうけるべきだとの声は非常に大きいものがあった。とくに栄養教諭や調理員、学校現場に対してなにも話がないまま、教育委員会、もっといえば行政関係者だけでどんどん話が進んできたからだ。

契約の前段階からきちんと話しあいを進めていれば、牛乳を数える人がいないとか、コンテナが入らないとかもなかっただろうし、アレルギー対応についてももっと早い段階で安全が確保されたものになっていたはずだ。今、給食を担っている方々がどのようにしているのかを知る姿勢もないまま、民設民営のセンター化ありきでやってきた結果が現在の混乱状況ではないだろうか。

大切なのは「安さ」?

本池 民設民営のセンターにするにあたり、導入可能性調査VFMは6・2%だった。導入可能性調査時には栄養教諭の配置と配膳室の改修は含まれていたのか。

教育部長 栄養教諭等にかかる経費は含んでいない。

本池 導入可能性調査時と前提条件が変わったということだが、出し直しをする必要はないか。

総務部長 事業の実施段階や事業フレーム外の要因についてその都度状況に応じて反映させていく性質のものではない。

本池 子どものための予算を削ることには反対だが、VFM6・2%が入り口になって民設民営の施設が進んでいるのであれば、条件が変わったときにはきちんとした数値を市民に報告することが必要だと申し上げる。

今回さまざまな現場に出向いて話を聞き、どのように体制をとり安全な給食をつくっているのかを見てきた。今市が進めていることは子どもの安全にとって必要な部分を保障せずに、「安い」といっているように思えてならない。それは果たして本当に「安い」のか考えていただきたい。子どもたちの給食を安く済ませることをだれが望んだのだろうか。「いいセンターにする」といってきたが、学校現場の話を聞けば聞くほど、だれにとっていいセンターなのか、本当に疑問だ。

ある学校関係者の方が「子どもたちのことを家族のように思わなければ給食はできない」といわれていた。学校給食は、時代の変化もあって、子どもたちにとって非常に大きな存在になっている。栄養のある物を食べさせたい、みんなと同じ場所でなるべく同じ物をおいしく食べさせたいと、子どもたちの健康や成長のために心を砕いてかかわっておられる。そういう現場を理解しようともせず、関係者を排除したといわざるを得ない進め方でつい最近まできたと私は認識している。関係者の実感もそうだと思うし「現場を知らなさすぎる」と怒りの声があちこちで聞かれることがそれをあらわしていると思う。

そもそも民設民営やPFIの導入については、これまで行政がおこなってきた事業を民間事業者に解放するものだ。その背景には行政の「財政難」「老朽化」などの事情があるが、運営費を縮減する一方で公共にはなかった利益が経費のなかで確保される仕組みになっている。現実に、この給食センターの事業においても、契約金額約100億円のなかに役員報酬等として約9億円が含まれている。企業の利益まで確保しながら「来年度から栄養教諭はいなくなります」「あとは学校で対応してください」など、子どもたちや学校関係者の前でいえるだろうか。

9億円の役員報酬があるのなら一人でも多くの栄養教諭を配置し、子どもたちの安全を守ると同時に、充実した食育をおこなっていただきたい。それが保護者や関係者はもちろん、子どもたちの成長を願う市民の願いだ。センターの稼働までに時間は迫っているが、今後も「子どもたちにとってどうなのか」の視点でこの事業について注視していくことを申し上げて、質問を終わる。

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